【認知症母との介護生活#57】家族介護と医療のリアルな接点。CT画像に白い影が!
60代主婦の日常を、4コママンガとエッセイにしてブログで配信をしている、ぱいなっぷりんさん。その中から、「認知症母との介護生活」を順に紹介していきます。
▼「認知症母との介護生活」マンガ 1話から読む▼
>>想像の遥か上を行く発想をする母に、考えたことは?【認知症母との介護生活#1】母と「紅白」を見ていたら…
先日
母の咳が ひどかったので
かかりつけ医に 診てもらった
すると なぜか
総合病院の 救急外来に回され
即 検査
レントゲンに写る 母の肺は
真っ白で
炎症の数値も
とんでもなく 高く
普段だったら 即入院
のはずが
コロナで 満床
母は 薬だけ処方され
本当に ごめんなさいね
と
こちらが驚くくらい 頭を下げられる中
その日は そのまま
帰されたのだった
でも
幸いなことに 母は
処方薬が よく効いたらしく
お医者さまもびっくりの
驚異の回復を 見せ
その後
元気に
デイホームに 通っています
もしかして これが
憎まれっ子 世に〇〇○る
ってやつ?
なんちゃって
初回の診察から
5日後
私は
母の経過を 診ていただくために
再度 母を
発熱外来へ 連れて行った
前回
次回は 入院の準備をしてくるように
と
言われていたので
私は
出かける前
もはや不要だろう とは思ったけど
とりあえず 下着や 洗面道具を
カバンに詰めていた
母は その様子に
ただならぬ雰囲気を
感じたらしい
私 入院なんてしないわよ
と 言いだした
スルドイ
…けど 何 言ってんだか
コロナが蔓延する このご時世
入院したい人は
たくさんいるのよ
母の言葉を スルーして
心の中で そう つぶやいていたら
母は
あそこの病院
ヤブなんじゃないの
と こき下ろし始めた
はぁ?
流石に その言葉は
スルーできなかった
お母さん
あそこで処方された薬が 効いて
今回 助かったんだよ
それに
あそこは
お父さんが 最期にお世話になった
病院じゃない
おかあさん あの時は
対応が素晴らしい
さすが 〇〇病院ね
って 絶賛してたよ
と
事実を持ち出して 反論した
でも
母は 認知症
そんな 過去のことは
記憶から消えたらしい
だって とにかく
おかしいわよ
私 全然
病気なんかじゃないのに
病気になったことも
忘れているのか
そして
言うに事欠いて
こんな事まで 言いだした
病院は きっと
私が年寄りだからって
色々検査して 薬を飲ませて
人体実験しようとしてるのよ
その発想に
私は 感動すら覚えてしまった
あまりにも 荒唐無稽
母の頭の 壊れかけた回路が
突然 バグって
昔々 聞いた
アウシュビッツの記憶とでも
繋がったか
それとも
731部隊か
その日
荷物を入れたバッグは
思った通り 不要だった
看護師が
先生が
「確認したいことが ある」
と おっしゃっているので
次回は 発熱外来ではなく
総合内科の診察の 予約を
入れておきますね
そう 言われただけで
帰ってきた
そして
また 5日後
母と
今度は 総合内科へ行った
感染防止のためか
今まで 医師が 発熱外来に
姿を見せることはなかったので
先生とは 初めてお会いした
思ったより 若くて
穏やかそうな人だった
開口一番 彼は
お薬が効いて
本当に 良かったです
本来は
入院していただきたかったのですが
満床で
申し訳なさそうに
そう 言った
いえいえ
精一杯のことを してくださって
感謝しています
そう 私は応えた
まあ…
実際は
今回のことでは
私も いろいろ思うところが
あった
だって
やっぱり
もし 処方された薬が 効かず
母の熱が 下がらず
入院が 遅れ
最悪の事態に なってたら
悲しみや 後悔と共に
怒りや 恨みの感情も
募っただろうから
もちろん それは
お医者さん という
限定的な対象に 対して
という意味では なくて
もう 世の中 全てのものに
対してだけど
ただ
幸いにも
そういう 負の感情を
持たずに 済み
先生にも
感謝の気持ちを 伝えることが
できた
母の回復は もちろんだけど
そのことも
本当に 有難いことだ
と思った
その後
まだ飲み残している 薬は
もう 止めていいですよ
先生が モニターのデータを
閉じながら
そう 言われたので
私は
これで 診察は終わったんだ
と思い
バッグとコートを 手に取り
立ち上がろうとした
その時だった
先生は
おもむろに 別の画面を 開き
モニターを 母の方に向けて
これ
最初の日に 胸部を撮った
CT画像なんですが
と画面を指差し
ホラ ここの脇に
白い影が
わかります?
これ
がんの可能性が高いです
ガ~~~~ン
91歳の母は
毎年 自治体の
後期高齢者を対象とした
ご長寿検診を
受けていたけれど
そのメニューに
乳がん検診は なかった
だから
今回 肺炎になって
CTを撮ったことで
がんの可能性があるものが
見つかった
つまり
不幸中の幸い
ということだ
とはいえ
やっぱり
ガ~~~~ン
なのだった
▼次回はこちら▼
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