91歳認知症の母、乳がん手術への決断!介護生活から見える希望と困難とは【認知症母との介護生活#58】
60代主婦の日常を、4コママンガとエッセイにしてブログで配信をしている、ぱいなっぷりんさん。その中から、「認知症母との介護生活」を順に紹介していきます。
▼「認知症母との介護生活」マンガ 1話から読む▼
>>想像の遥か上を行く発想をする母に、考えたことは?【認知症母との介護生活#1】認知症母のいる日常~冷蔵庫編
母の肺炎は
すっかり 良くなり
確認する気持ちで
3度めの診察に 臨んだ
母と 私
でも その診察で
以前 発熱外来で撮った
CT画像から
乳がんの疑いが 濃厚だ
と言われたのだった
次回からは
担当が
乳腺外科の先生に 替わります
必要な検査の
予約を 入れておきますね
その結果を 見て
治療方針を決めていきましょう
と
その日から
乳がんであることを 前提に
次々 ことが動いていった
がんであることは
ほぼ 確定のようだった
母は
思いの外 冷静だった
…ってか
事態が わかっていないのかも
だとしたら
それは
幸せなことなのかもしれない
だって
中途半端に 事態がわかったとして
認知症母に 何ができるだろう
母に課せられた 大量の検査は
なかなか取れない 予約や
時間がかかるものも あったりして
何回も 病院に通い
日によっては
早朝から 夕方まで
病院で 長い時間を過ごした
それは つまり
私にとって
長い時間 母と一緒にいる
ということで
それは つまり
同じことを
言われたり 聞かれたりの
ループ再生を
隣で 聞き続ける
ということで
さすがに ブチ切れそうになる
いや 大切な親だけどね
病気が そうさせるのは
わかってるんだけどね
そして ギリギリの精神状態で
家に戻ってからは
最低限の家事を しつつ
母が話す いつもの話を
聞くふりをしながら スルーし
母から
「あれを なくした」
「これが 見つからない」
と言われての
探しものをする 合間に
子どもたちに
母の病気の経過報告のLINEしたり
病気について
ネットで検索したり
本を読んだり
素人の私が
かき集めた 情報によると
高齢者の場合
がんの種類や 大きさ以外にも
持病の有無や 体力年齢などを
考慮して
治療方針を決める
特に 認知症の場合
治療が長引くことにより
症状が進むこともあるので
注意が 必要
場合によっては
積極的治療を しない
という判断も ある
な~んてことが 書いてあって
91歳 認知症母は
その対象になっちゃうのかなあ
と 不安になったりした
だって
最初に 発熱外来に行った時だって
入院させてもらえなかったしね
(↑被害妄想)
母の記憶力は
今 あったことも
3歩歩くと たいてい忘れる
ニワトリレベルだけど
でも なぜか
100歳超えて 元気な
義理の伯母さんが
2年前
ご長寿おばあちゃんとして
テレビに出演したこと とかは
ハッキリ 覚えている
その話をする時は いつも
私も
100歳まで生きなきゃね~
というセリフで 締めるのが
お約束
本人は まだまだ
生きる気 満々なんだよね
でも
バブル期以降
経済が低迷している
この国で
生産性のないひとが
現役世代に 負担を強いながら
ただただ 長生きしたがる
っていうのも
マクロ的な視点で見れば
社会的に迷惑なのかもしれない
けれど
今まで 真面目に 一生懸命
生きてきたんだし
誰だって
いずれは 歳をとる訳だし
何より
誰にとっても
かけがえのない 人生なんだし
そんなことを 悶々と考えながら
次の診察の日を 迎えた
先生は
患部のレントゲン写真を
指しながら
おっしゃった
検査の結果
ホルモン療法の効きにくい
がんでした
若ければ
抗がん剤を使うのですが
高齢ですからね…
そして 先生は
一瞬 言葉を止め
厳かにおっしゃった
(ように聞こえた)
手術が いいと思います
手術…ですか?
思わず聞き返した 私
はい 手術です
先生は そう繰り返し
ご心配ですか?
もちろん
麻酔のリスクや
入院中に 認知症が進行する
という リスクはありますが
体力も おありのようだし
4~5日の入院くらいだったら
多分 大丈夫でしょう
その言葉に 私は
いえ 心配はしていません
というのは ちょっと違うし
ありがとうございます
というのも ちょっと合ってない
その時の 自分の気持ちを
表現する
うまい言葉が 見つからす
席を立って
先生をハグしたい 衝動に駆られた
(迷惑な話だ)
そして
体力があり 気力があるならば
91歳認知症でも
そのひとの気持ちを 尊重して
前向きに治療してもらえる
そんな時代 そんな国
そんな先生との 巡り合わせに
本当に
感謝の気持ちで いっぱいだった
ただ
この手術が
うまくいくかどうか は
また 別の話
超えなければいけない ハードルや
考えなければいけない ことも
今後
たくさん ありそうで
まだまだ
気は 休まりそうもない
▼次回はこちら▼
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