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【ガーデニング】高温、豪雨、台風からバラを守る方法! 摘蕾や元肥で厳しい季節を乗り切ろう

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吉原美奈子

【ガーデニング】高温、豪雨、台風からバラを守る方法! 摘蕾や元肥で厳しい季節を乗り切ろう

海外の夏の庭での素敵な朝食。日本では夏バラは早めに切り、涼しい室内で活けて使うのもよいかもしれません。

9月の夏剪定までには日数があり、8月はバラ栽培も一息つく季節です。それでも高温乾燥が続き、バラにとっては過酷な季節。近年は豪雨も心配です。暑さで庭に出るのもおっくうですが、バラに目をかけることをお忘れなく。

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【ガーデニング】高温、豪雨、台風からバラを守る方法! 摘蕾や元肥で厳しい季節を乗り切ろう(画像2)

夏の庭に咲くバラ‘エリザベス スチュワート’とラベンダー。オレンジ色のバラと青紫の色の対比が目に鮮やかです。

バラの体力を考えて『摘蕾』を行う

四季咲きのバラは8月に入ってもつぼみをつけて花を咲かせようとしますが、ほとんどのバラは花径が小さく、花弁数も少なく、本来の姿とは違う花形を見せます。

この時期の花は高温と乾燥によって十分につぼみが育たず、花弁も伸びず、春と同じ花姿を期待するとがっかりしてしまうこともあるでしょう。

人によっては8月のバラは無理に咲かせることをせず、手でつぼみを摘みとる摘蕾(てきらい)をするケースも多くみられます。
高温の中で開花するのはバラにとってエネルギーを消耗することにつながるわけで、それよりも春に次ぐ開花の最盛期である秋バラのために、バラの体力を温存させるほうを選ぶわけです。

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ドイツ、コルデス社のミニバラ‛リトル サンセット’を植えた花壇。ミニやパティオ系は小ぶりで管理がとにかくラク。

摘蕾は株をよく見て、枝先に小さなつぼみが見えてきた段階で行います。
つぼみのすぐ下にある小さな葉とともに指で折りとりましょう。

花形が多少乱れても夏の庭でバラを楽しみたいと思う方は摘蕾をせずに花を咲かせても、もちろんかまいません。
その場合、8月下旬に夏花が終わった段階で規定量のバラ専用肥料腐葉土株元に軽く埋めてやります。

株数の多い方は、1株あたり骨粉200~300gと油かす150gを混ぜ、腐葉土とともに与えるのがよいでしょう。
有機質主体なのでじっくりと効果を現し、バラの体力回復につながります。肥料を与えたあとは、たっぷりと水を与えてください。

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赤のHTとカスミソウの花瓶。庭はお休みして切り花のバラを愛でるのも猛暑の季節の楽しみ方かもしれません。

台風や豪雨への備えと後処理

8月下旬から台風が来ることは珍しくありませんし、近年は乾燥が続いた後に集中豪雨に見舞われることも増えてきました。

こうした激しい気象の変化はバラにとって好ましい環境とは言えません。
できるかぎりの対策をとり、被害を最小限に防いでください。

台風や集中豪雨が来るのはニュースなどで事前に分かるので、庭植えのバラであれば株の周囲に支柱を数本立ててひもで結わえておきます。
茂りすぎた株は軽く切っておいてもよいでしょう。

鉢植えのバラは一時的に屋内に取り込むか、事前にあえて鉢を横に倒しておき、倒壊を防ぎます。
状態が収まったらすぐに結束をはずし、鉢も元通りに直します。
元に戻すのを忘れると枝葉がゆがんで全体の見た目が悪くなるので、必ずすぐに戻しましょう。

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英国の庭に咲くイングリッシュローズ。夏も気温が低いのできれいですが、日本の関東以西では小ぶりに咲きます。

被害に合ったバラは風雨で枝葉がひどく傷んでいるので、ホースをシャワーにして株全体を水で流してやります。
傷んだ葉や折れた枝があれば切りとって健全な部分を残します。

また、傷んだ部分から病原菌が入り込んで病気を引き起こすこともあるので、株が乾いた後に、規定倍率より薄めに希釈したサプロール、ダコニール、ベンレートなどの殺菌剤を株全体に噴霧しておくと安心です。

株数が少ない場合は市販のバラ専用の殺虫殺菌剤をスプレーしてください。

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1つの枝に複数の花が咲くことを房咲きといいます。このバラも9~10輪ものロゼット咲きの花が付いてブーケのよう。

四季咲き性とは、特定の開花期をもたず、条件が整えば一年に複数回花を咲かせる性質を指します。​バラやベゴニアなどにこの性質をもつ品種があり、長期間花を楽しむことができます。

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腐葉土とは、落ち葉や枯れた植物の枝などが微生物の働きによって分解され、ふかふかの土状になったものです。ガーデニングでは、土壌改良材として使用されることが多く、通気性や水はけを向上させ、植物の生長を助ける効果があります。また、有機物を豊富に含むため、植物にとって優れた栄養源となります。手作りも可能で、落ち葉を積み重ね適切に管理すると約半年~1年で完成します。庭づくりやプランター栽培にも非常に役立つ、自然の恵みを生かした便利なアイテムです。

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油かすとは、菜種や大豆などの油を搾った後に残るかすで、チッ素分を多く含む有機肥料です。元肥や追肥として利用され、植物の葉や茎の生長を促します。ゆっくりと効き目が現れるため、長く栄養を与えたいときに適しています。ただし、施しすぎると発酵時に悪臭が出ることがあるため、量や場所に配慮が必要です。また、スイセンはチッ素過多になると、球根が分球しやすく花が咲きにくくなるため、リン酸分の多い肥料を施します。

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寒冷地とは、平均気温が低く、冬季に雪や霜が多く降る地域を指し、園芸においては栽培可能な植物が限られる環境です。北海道や本州内陸部などが該当し、霜害や冬越しの難しさが課題になります。寒冷地では耐寒性の高い宿根草や球根植物が重宝され、逆に熱帯性植物は室内での越冬が必要です。栽培カレンダーも地域ごとに調整が必要で、気候に合った植物選びがガーデニング成功の鍵となります。

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骨粉とは、牛や豚などの動物の骨を高温処理して粉末状にしたリン酸質肥料で、おもに花や実のつきをよくする効果があります。即効性はありませんが、土壌にじっくりと効いてくる緩効性で、バラや球根植物、果樹などに多く用いられます。有機質肥料の一種として、堆肥などと併用することで、より健全な土づくりに貢献します。

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花弁とは、一般に「花びら」と呼ばれる部分で、花の中でも最も視覚的に目立つ構造です。昆虫を引き寄せるための鮮やかな色や形、香りを備えており、園芸植物ではこの花弁の特徴が観賞価値に直結します。八重咲きや一重咲きの違いも花弁の枚数に関係しており、育種や品種改良ではこの部分の改良が重点的に行われます。雨や暑さで傷みやすいため、花弁の丈夫さもガーデナーには重要なポイントです。

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肥料とは、植物が健やかに生長するために欠かせない栄養素を補給する材料のことです。おもにチッ素、リン酸、カリウムを三大要素とし、それぞれ葉の生長、花や実の形成、根の発達を助けます。有機質肥料と無機質肥料に分類され、有機質肥料は堆肥や骨粉など自然由来で、土壌改良にも効果的。一方、無機質肥料は成分が均一で即効性が魅力です。ガーデニングでは植物の種類や生長段階を考慮し、適切な肥料選びと施肥のタイミングが大切です。

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株元とは、植物の茎が地面と接するあたり、根元の部分を指す言葉で、水やりやマルチング、病害虫の発生チェックなど園芸作業の上で注目すべき場所です。特に多年草や樹木では、株元の通気性や湿度が健康維持に大きく関係し、落ち葉や腐葉土のたまり過ぎによって蒸れたり、カビが発生するリスクもあるため注意が必要です。冬越しや剪定後の管理でもポイントになる場所です。

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支柱とは、植物が倒れたり茎が曲がったりするのを防ぐために立てる棒状の補助具。特に生長とともに高さが出る植物や、実が重くなる果菜類、つる性植物などに欠かせない資材です。ガーデニングでは、支柱の材質や形状によって景観にも影響を与えるため、景観に馴染む自然素材のものや色つきのものを選ぶことで、植物の生長を支えつつ庭の美しさとの両立を図ることができます。

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剪定とは、植物の不要な枝を切り取る作業のことです。形を整えたり、風通しをよくしたり、枝分かれを促したりする目的で行われます。剪定を行う目的に合った正しい時期に行うことが大事です。

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元肥とは、植物を植える前や植えつけ時に、あらかじめ土に混ぜ込んでおく肥料のことです。追肥とあわせて行うと元気に育ちます。

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