私の毒親体験記
子どもがいない中年夫婦は「家の恥」だから帰って来ないでという毒母【私の毒親体験記】
私は、小さい頃から母からの愛情を感じたことがありません。そんな母は、私たち夫婦に孫がいないことを「家の恥」とまで言い放ったのです。
女性しか感じることができない母性を知らないなんて可哀想⁈
私は28歳の時に現在の夫(44歳)と結婚をしましたが、子どもはいません。子どもに関して特に意識していたわけではありませんでした。
夫とは子どもがいたら……という話もしてきましたが授からなかったので、40歳を過ぎた頃からは、2人での老後を楽しみたいと話しています。
結婚した直後から母(76歳)は「子育ては体力がいるから、早く子どもを作った方がいいわよ」と言っていました。そして、結婚して2年程経つと会う度に、父(82歳)に孫を抱かせてあげて、私も孫のお世話がしたい、子どもがいると人生に張り合いが出るなどと言っていました。
35歳になると「女性しか感じることができない母性を知らないなんて可哀想よね。ママの時と違って医学は進歩してるのだから、病院に行って治療してもらった方がいい」とまで言い出しました。
ずっと母の「孫の顔が見たい」攻撃を適当に受け流していましたが、さすがに受け流すことができませんでした。
「ママは不妊治療がどれだけ体力的にも精神的にも大変なことかわかって言ってるの?ママは自分の言葉がどれだけ私を傷つけているかわからないのよね」と言い返すと少しだけ大人しくなりました。
まくしたてられた地獄のような母からの電話
私が言い返してからは直接的には言ってこなくはなりましたが、顔を合わせる度に友人や知人の孫の話、いとこに子どもができた話をして、私に圧力をかけてくるのです。
私は、小さい頃から母の愛情を感じたことがなかったので、なぜ母が孫をあんなに欲しがるのか理解できませんでした。しかし、父方の親戚の葬儀で会った後、母から電話がきたのです。
「今日の葬儀に出席した親戚の中で、子どもがいない夫婦は貴女たちだけだったから、ママは凄く恥ずかしくて肩身が狭かったわ。
パパは口には出さないけど、自分の方の親戚だったから、きっとママ以上に恥ずかしかったと思うわ。
親戚の前で娘の子どもを抱けないなんて、周りから見たら私とパパは不幸な老夫婦に見えるでしょうね。
今後はこっちから呼んだ時以外は家に来ないでちょうだい。
子どもを連れていない中年夫婦なんて、ご近所の人達が見たら変に思われるからね」
私は母の言葉を聞きながら、母が孫に執着するのは私のためではなく、自分と父が孫を可愛がる幸せな老夫婦を周囲に見せたいだけなんだとわかりました。
母らしいなと、改めて呆れ果てました。
(40代・フリーランス)
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