私の毒親体験記
夏休みなると小学生の兄と私を牧場に預け、2人で海外旅行を楽しんでいた父母【私の毒親体験記】
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更新日
ゆうゆうtime編集部
小学生のある夏休み、私と兄は毎年北海道の牧場に預けられました。自然の中で育ってほしい思っていたと言われたのですが、真実は違うものでした。(40代女性・会社経営)
小学生の兄妹を牧場に預けることを決めた母の本心
兄(48歳)と私が同時期に小学生だった4年間、私たち兄妹は毎年夏休みになると北海道で育成牧場を経営している父(82歳)の友人宅に約3週間預けられていました。
私が小学1年生の夏休み前のこと、母(76歳)から
「パパとママは、ずっと前からあなた達に自然の中で伸び伸びとした生活を体験させたいと思って話し合っていたの。北海道で馬を育てて牧場をしている〇澤さんというパパのお友達の所があるから、夏休みになったらそこにホームステイをさせてもらうことにしたわ」
と告げられました。
少し驚きましたが、兄も私もせっかくの夏休みを母に組まれたスケジュール通りに過ごすより、北海道で馬と過ごした方が楽しそうだと思い、ワクワクしたことを覚えています。
夏休みになり兄と私は両親に連れられて北海道の〇澤さんの家に……。〇澤さんと奥さまは気さくで明るいご夫婦で、兄と私が来るのを楽しみにしていたと言ってくれました。
2人が兄と私のことを「品があって都会的なお子さま達ですね」と褒めてくれると、母は上機嫌になり、自分が子どもに注いでいる愛情の深さをベラベラと話し始めました。そして、涙ぐみながら3週間も子どもと離れるのは不安で、心配でたまらないけれど、2人の将来のためだと思い預ける決断をしたとも。
その時の私は「ママは私とお兄ちゃんと離れるのが泣くほど寂しいのかぁ」と思い、両親が帰るころを少し寂しく思いました。
ですが……。
父と母がイタリアへ旅行していると知った兄と私
牧場には、ゴールデンレトリバーと猫、そしてご自宅のすぐ横に牧場の従業員の人達の寮がありました。奥さまがその人達のご飯も作っているため、朝早くから夜までいつも賑やかでした。
〇澤さん家での生活は、最初に約束をした早朝の馬への餌やりの手伝いだけはしていましたが、普段の生活とは全く違いとても自由でした。
兄は牧場の仕事に興味があった様子で、〇澤さんの手伝いを楽しんでいたようです。私は奥さまと食材の買い物に行ったり、食事の支度を手伝うことがとても楽しく、いつも奥さまにくっついていました。
家に帰る数日前、〇澤さんや従業員の人達皆で兄と私のお別れBBQをしてくれました。
その時に従業員のお兄さんやお姉さんが私に「どうして〇〇ちゃんはイタリアに行かないで北海道に来たの?」と聞いてきたのです。当時の私は質問の意味がわかりませんでした。どういうこと?と思ったのですが、そのままうやむやに……。
そして私と兄は家へ戻りました。
数年後のこと、ひょんなことから、兄と私が北海道に行っている間、2人で海外旅行へ行っていたことがわかり、びっくりしました。
それまでは、一方的な母に比べて、父に対しては自分への愛情を感じていましたが、その後は父のことも母同様に受け入れることができなくなってしまいました。
私たちのために北海道へと言ったのはなんだったのか。自分の都合でしか生きていない人たちに育てられることは悲しいことだと思います。
(40代・会社経営)
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