海外旅行12年ぶり!【イラストレーター・堀川波さん】英語が苦手でも「好き」を共通言語に世界中どこへでも
素朴さとおしゃれさをあわせもつタッチで大人気のイラストレーター・堀川波さん。籐の小物や刺し子刺繍など、手工芸作家としても活動を広げ、ヨーロッパ5カ国をめぐる旅をまとめた著書『手仕事をめぐる大人旅ノート』も話題に。堀川さんのライフワークとも重なる旅の魅力を伺いました。
お話を伺ったのは
堀川波さん
イラストレーター
ほりかわ・なみ●1971年生まれ。
大阪芸術大学卒業後、おもちゃメーカー勤務を経て、イラストレーター、手工芸作家として活動。
近著は『籐で作るアクセサリーと小物』『刺し子ステッチで楽しむ服と小物』(ともに誠文堂新光社)。
インスタグラムのアカウントはこちら。@horikawa._.nami
12年ぶりの海外旅行は同世代の友人・知人8人と
ロンドンの毛糸店から舞い込んだワークショップ開催の誘いを機に、ヨーロッパ3週間の旅に出かけた堀川波さん。訪れたのはロンドン、リトアニア、ラトビア、エストニア、フィンランドの5カ国で、同行メンバーは手仕事でゆるくつながった同世代の友人や知人たち。途中から合流するメンバーもいる、最大で8人の旅となった。
「海外旅行は12年ぶりで、旅支度はパスポートの再発行からでした(笑)。12年もどこにも行けなかったのは、2人の子どもの塾代が家計の重荷になっていたから。下の子の高校入学以降は塾代がなくなり、やっとまた大好きな旅に出かけられるようになったんです」
今回の旅は、その土地その土地の、一般の人の手仕事と出合うことがテーマ。もともと市井の人の手仕事に興味があり、大学在学中は北海道から沖縄まで、各地の郷土玩具を追って民芸館などをめぐる旅を続けていたそう。この旅がキャリアの下地になり、イラストレーターの仕事と並行して、背守り刺繍(子どもの着物に施す魔除けの刺繍)や吊るし飾り(縁起のいい布製の小物を吊り下げた節句の飾り)の著書へとつながっていった。その後、籐で作るアクセサリーや刺し子刺繍も堀川さんの代表的な作品群に。
「手仕事の本を作るとワークショップなどで読者やお店の方と直接お会いする機会ができ、おかげで“心が開いた”んです。50代になって『思いついたらすぐやってみる』『誘われたら出かけてみる』を心がけ、“軽やか”でいるようにしたら、以前なら尻込みしたような旅に何の心配もなく出かけられるようになりました」
とはいえ、海外旅行には「言葉の壁」があるもの。堀川さんはスマホの翻訳アプリを頼りに乗り切った。
「なかでもバルト三国は言葉がまったくわからなくて。でも、日本語で『切符売り場はどこですか?』とスマホに打って現地の言葉が表示された画面をご婦人に見せたら、にっこり笑って売り場まで連れていってくれました。語学が得意ではない私は“顔”で勝負(笑)。『私、困ってます』という顔で声をかけると、みんな親切に手助けしてくれました。その代わり、声をかける人はじっくり吟味。私は同世代の女性狙いでいきました」
