就寝中の激痛!【こむら返り】その意外な原因とは? 簡単な予防法も紹介
ジョギングなど運動した後に足がつる、就寝中に足がつって激痛で目が覚める……。多くの人が経験するこむら返り。最近、回数が増えたという人もいるのでは? 原因と対処法、予防について伺いました。
主な原因は筋肉の脱水。運動のしすぎや加齢も原因に
「有痛性筋痙攣(けいれん)」。何だかとても難しい病気のように思えるが、突然、ふくらはぎなどがつる、「こむら返り」のことだ。
「名前のとおり、筋肉が痙攣(収縮)を起こした状態で、激しい痛みを伴います」と、常喜医院院長の常喜眞理さん。
ふくらはぎがカチカチになり、あまりの激痛に思わず「痛い!」と叫んでしまうことも。
「寝ている間、特に明け方に起こることが多いですね。伸びをしようとして、つることもあります。こむら返りが起こる一番の原因は脱水です。寝ている間、人の体は内臓のメンテナンスのために血液が内臓に集まっていて、脚の筋肉の血流が少なくなります。そのため水分不足になってしまうのです。冷えも原因の一つです。眠りにつくときは手足から熱が放散されますが、放散され続けて冷えすぎてしまうと血流が悪くなり、痙攣を起こします」
マラソンなど、運動中や運動後に起こるのも、汗をかくなどして筋肉が水分不足になることによる。
「自分の筋肉がもっている以上に筋力を使いすぎたとき、つまり運動しすぎたときにも起こりやすいです。たとえばゴルフでコースを回った後、しばらくたってから起こる人も。脱水とともに、筋肉疲労で筋肉に乳酸がたまるのも原因となります。運動中は十分に水分を補給し、終わった後は整理体操やストレッチをするのも大切です」
お酒を飲むとつる、という人も多いようだが……。
「脱水ですね。お酒には利尿作用があり、お酒を分解するのにも水が必要です。飲むときは倍量の水をとるようにしましょう」
こむら返りは加齢によっても起こりやすくなるという。
「加齢により筋肉量が減ると、血流が悪くなり、水分が減るためです。私も、つりやすくなりました(笑)」
また、マグネシウムやカルシウム、カリウムなどのミネラルのバランスが悪くなるのも原因の一つといわれている。
「マグネシウム不足がこむら返りの原因ともいわれますが、日本人は全体的にマグネシウムが不足しがちです。というのも日本の水は軟水で、マグネシウム含有量が少なめだからです。マグネシウムは、カルシウムとカリウムのバランスを調節し、骨を作るうえで重要な役割もしているので、必要な量はきちんととっていただきたいものです。ただし、サプリなどでマグネシウムを多くとったからといって、こむら返りが改善するわけではありません」
