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【こんなことで人は死ぬ】「風邪をひいただけなのに…」高齢者の意外な死因。法医学者の結論は?

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高木徹也

警察が「事件性あり」と誤解してしまうことも…… 

ちなみに、このようなケースの検案や解剖の依頼があった際、まれに警察から「高齢者虐待が疑われます」との報告を受けることがあります。 

警察からすると、亡くなった高齢者がやせていて、擦過傷のようなものが体表面にあることが多いため、家族からネグレクト(介護放棄)を受けた、もしくは暴行などの身体的虐待を被ったという可能性を否定できないわけです。 

一方、私たち法医学者からみると、やせているのは寝たきり状態で食欲が低下したからであり、当然だと判断できます。 

また擦過傷のようなものは、高体温で布団の中にいて、汗などで湿った環境にあったことから、皮膚をひっかいたことや「床ずれ」(体重で圧迫された部位にできる傷)になりかかったものだと推測します。 

現場を確認してから、警察に「寝たきりになる前に風邪をひいていませんでしたか?」と質問すると、「おっしゃる通りです」と返ってくるので、風邪をひいたことを契機として亡くなったと判断することになるのです。

【このような危険を避けるには……】

・高齢者の場合、風邪だからと甘く考えず、速やかに医療機関を受診する。
・長期間寝る場合には、寝具をこまめに交換する。
・部屋の換気と掃除をこまめに行なう。

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※この記事は『こんなことで、死にたくなかった 法医学者だけが知っている高齢者の「意外な死因」』高木徹也著(三笠書房刊)の記事を、WEB掲載のために再編集したものです。

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