「1か月で600本以上が売れる」話題の老眼鏡専門店。誰もが「こういうのが欲しかった!」と思う秘密は?
老眼鏡が必要だと自覚したとき、少し〝老い〟を感じた人も多いのでは? 意を決して「いざ、老眼鏡を購入!」と思っても、おしゃれなデザインがないという現実。そんなプチ不満を解決する、おしゃれでお手ごろ価格の老眼鏡専門店が巣鴨に出来たと聞き、『ゆうゆう』編集部50代ライターのTが噂のショップに行ってみました!
老眼鏡=あらがえない老いの象徴、を一新
巣鴨からとげ抜き地蔵を超えて、さくらトラム(都電荒川線)の庚申塚駅方面へ。
ポップや看板を見て数秒考えて入店する女性。
スマホ片手に歩き、「ここよ!」と楽しげに友だちと入店する女性。
巣鴨商店街にあるこの小さなお店の前には、40代後半から50代、60代のお客さんが吸い込まれるように入店していきます。
「これ、かわいい」
そんな言葉が聞こえてくる店内には、色とりどりのメガネがずらりと並びます。
実はこれ、すべてが「老眼鏡」。
老眼鏡といえば、「年配の人が仕方なくかけるもの」というイメージではないでしょうか。
私自身も眼科で老眼鏡の使用を勧められたとき、「とうとう老眼鏡が必要になったのか……」と、あらがえない老化への第一歩に、少なからずショックを受けました。
でもこれを、ファッションアイテムとして楽しめるものに変えたのが、巣鴨の人気美容室・えがお美容室が手がける老眼鏡のセレクトショップ、「えがお老眼鏡」なんです。
メガネ屋さんは、既製品の老眼鏡を売りたくない!?
はじまりは、「えがお美容室」が運営する洋服店で、ファッションアイテムとして老眼鏡を置いたことでした。
「置いたらすぐ売れる、出したら即売、という状態だったんです」ととえがお美容室代表の太田明良さんは振り返ります。
お客様に理由を尋ねると、返ってくるのは決まって同じ。
「だって、かわいい老眼鏡ってないんだもの」
という言葉。この経験から、「お客さまはおしゃれな老眼鏡を求めている!」と感じたといいます。
しかし、メガネメーカーやチェーン店に相談すると、意外な答えが。
「『絶対に売れない』と断言されました。『老眼鏡は儲からないし、需要もない』と」
メガネ専門店は、遠近両用などオーダーメイドレンズを販売することで利益を上げています。そのため、手頃な価格の既製品である老眼鏡は、積極的に売りたい商品ではなかったというのです。
「逆に、メガネ屋さんが参入しないのならチャンス!だと思いました。きっと既存の老眼鏡に満足していないお客さまがいるはずだと」(太田さん)
なるほど。
既存品となると雑貨店や100円ショップ、ホームセンターで売っているもの。
黒縁でおしゃれとは縁遠い、いかにも……なものばかりです。
セミオーダー、オーダーでないと自分の思うような老眼鏡に巡り合えない裏には、そんな事情があったのかと、妙に納得してしまいました。
「1か月で600本以上の老眼鏡が売れる」
老眼鏡を「必要だけれど我慢して使うもの」から「選ぶ楽しみがあるファッションアイテム」へと変化させ、話題を集める「えがお老眼鏡」。
「2024年の春にポップアップイベントとして販売をしてみたところ、1か月で300本以上が売れました。想像以上の人気で私たちも正直驚きました」(太田さん)
さらに現在は月に600本ペースで売り上げを伸ばしているとか…!
駅の地下道やファッションビルなどのポップアップストアで売り上げるということは、たまたま通りかかった人が一瞬で買いたくなったということ。
私もそうですが、これまでも水面下でおしゃれな老眼鏡のニーズはあったはず。
でも、「どこで買っていいか分からない」。
そんな迷える老眼鏡ユーザーの救いとなったのではないでしょうか。
現在も定期的にポップアップショップでの販売は続けられているといいます。
※最新のポップアップショップ情報はインスタで確認を。
かくして、誰もが「こういうのが欲しかった」と思えるデザイン性に加えて使い勝手のよい商品だけを集めた、全く新しいタイプの老眼鏡専門のセレクトショップが誕生しました。
おしゃれな老眼鏡に興味のある方はぜひ、「えがお老眼鏡」に足を運んでみてください。
