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小さな生活道具店 ecru店主【桐野恵美さん・58歳】自宅を活用した新しい働き方とは?

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恩田貴子

今を楽しみ、変化を恐れない。軽やかでしなやかな生き方

スーパーでのアルバイトで資金を貯め、1年後の2019年、「小さな生活道具店 ecru」は静かに扉を開いた。普段生活する場に、コツコツと集めてきた雑貨や器を並べた。インスタグラムで地道に発信を続けるうち、少しずつ人が集まり、新たな縁が芽生えていった。

「お客さまとの出会いから、石けんづくりや顔ヨガなどのワークショップが自然に始まって。もともと料理が好きだったこともあり、ワークショップで料理をふるまうようになったのですが、今では料理教室も開くようになりました」

やがて、桐野さんの気持ちは「店を広く知ってもらう」ことから、「より深く人と関わる」ことへとシフトしていく。その思いは、悩める女性たちにゆっくりと滞在する場を提供する「リトリート」という活動にも発展。ともに食卓を囲み、語り合う中で、参加者が自分自身と向き合う手助けをする。桐野さんの家は、人を癒やし、次の一歩を後押しする特別な「場」へと育っていったのだ。

料理教室「暮らしとごはん」では、桐野さんが納得して選んだ調味料を使い、旬の食材を調理する。

月に1回開催される「心もあがる顔ヨガと食の会」。毎回笑いが絶えないのだそう。

ワークショップやリトリートといった活動に加え、暮らしを安定させているのが、数年前から続けているセレクトショップでのアルバイトだ。

「家にいるだけだと世界が限られてしまうこともあり、アルバイトを続けています。職場には若い人が多く、自分と違う価値観に触れられるのが面白くて。すごく楽しく働かせてもらっているんですよ」

今を楽しみ、変化を恐れない。その軽やかでしなやかな生き方の根底には、シンプルな思いがある。

「好きなものが見つかったら、それをゴールにするのではなく、とにかくできることからやってみる。プロセスを楽しみながら、コツコツと続ける。それが大事なのかなと思っています。行動の先には出会いがあり、道が広がっていくはずですから」

自宅を活用した働き方例

自宅での開業には、多くのメリットがある。家賃や経費をまとめられる経済的な合理性に加え、通勤に時間がかからず、時間を有効に使えるのも大きな魅力。暮らしと仕事を両立させる賢い選択肢だ。

●料理や手芸、着付け、フラワーアレンジメントなどの教室
●カフェ・食堂、美容サロン
●民泊・貸しスタジオ
●子育て支援施設・学習塾 など

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※この記事は「ゆうゆう」2025年12月号(主婦の友社)の記事を、WEB掲載のために再編集したものです。

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