人気ヘアメイク職人【化け子さん】コロナ禍にYouTubeを開設。周囲の「うまくいくはずない」の声にどう答えた?【人生100年時代の働き方白書】
年齢に関係なく、いくつになっても自分らしく、マイペースでいきいきと働くゆうゆう世代が増えています。そんな皆さんに、仕事の「やりがい」について聞きました。今回は人気ヘアメイク職人、YouTuberの化け子さん58歳です。
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「何ごとも、やってみなけりゃわからない!」。新しいことを始めるとき、化け子さんの心の中にはいつもこの言葉があったという。2020年にコロナ禍で仕事がなくなったとき、待つだけでなく自ら仕事を生み出せる人になりたいと、仲間とYouTubeチャンネルを開設したときも、そうだった。
「でも、まわりの人から『うまくいくはずないよ』と否定され、すごく怖くなってしまったんです。私の考えはやはり甘いのかと、現実を突きつけられたような気持ちになりました」
YouTubeが成功するか否かはもちろんだが、恐怖が連鎖することへの恐れも大きかったそう。
「私、子どもたちにいつも『やりたいことは何でもいいからやってみな!』と言っていたんです。それなのに、ここでやめたら子どもたちに顔向けできないし、何より私自身、やりたいことが見つかるたび不安になり、何もできない人間になってしまう。そんな自分はイヤだと思ったとき、YouTubeを始めようと決意した瞬間のワクワク感がよみがえってきて。『失敗してもいいからやっぱりやりたい。前に進もう』と自分を奮い立たせることができたんです」
こうしてスタートしたYouTubeは、開設から4年で登録者数41万人の大人気チャンネルに。
「仲間とぶつかることもあれば、体力的に大変なときもあります。でも自分がやりたいことだから続けられるし、やっぱり楽しいんです。それはゆうゆう世代が働くうえで、すごく重要なこと。年を重ね気力や体力が低下してきたとき、『やりたい! 楽しい!』がなければ、続けられないと思うから」
これからも、誰もが年齢に関係なく、「今の自分が一番好きと思えるように。私のヘアメイクでワクワクしたり、笑顔になったりするお手伝いができたらうれしい」と言葉に力を込める。
「そうすれば、誰もがやりたいことを選択し、挑戦できる世の中にきっとなる。そんな発信を、私は寿命が尽きるまで続けているんじゃないかな」
撮影/鈴木希代江 取材・文/恩田貴子
※この記事は「ゆうゆう」2025年4月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のため再編集しています。
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