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距離を置いて見えた夫婦の絆―65歳女性が語る【卒婚】の意外なメリットとは?

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ゆうゆう編集部

家族がいてもいなくても、自分軸を定めて生きる。その一つの形が「卒婚」です。実際に卒婚に踏み切った人の体験談をご紹介します。今回は佐藤めぐみさん(仮名)・65歳です。

CASE② 思いがけず始まった卒婚だけれど夫婦の関係を再構築できた

今ではつき合っていたときのような関係に

50代後半で卒婚しました。夫がある若い女性に恋をしたことがきっかけです。夫はそれまで仕事一筋だったので最初は恋とは思わず、黙認していました。夢中になっていると気づいてやめてほしいと伝えましたが聞く耳を持たず、一緒に暮らすことがつらくなって出ていってもらいました。

けれど、最初から離婚はまったく考えませんでした。理由は自分でもよくわかりませんでしたが、夫とは10代の頃につき合って20代で結婚し、ずっと同じ時間を共有してきたので、離婚で自分の選択の間違いを認めることがいやだったからかもしれません。

夫が家を出て1年後に、その女性は他の男性と結婚しました。夫は帰ってきたがりましたが、断ったんです。それまでは外出していても夫の帰宅時間までには家に戻るような生活でした。一人暮らしは最初のうちこそ寂しくて不安でしたが、夕食の支度や家に帰る時間を気にする必要がなく、友達に会うのも自由に決められるようになって、すっかり満喫していたのです。同じ家に住んでもめていた数年間、私の愚痴を聞いてくれた子どもたちも「いいんじゃない」と言ってくれました。

夫はそれぞれに住居費がかかるのがもったいないと言って、その後もしばらくは帰ってきたいそぶりがありましたが、次第に卒婚を肯定する話もするようになりました。どうやら、周りにいろいろ尋ねて「距離があったほうが仲よくしている夫婦が多いようだ」と思ったようです。

卒婚をスタートした頃は会えばケンカになっていましたが、今は週に1~2回、飲みに行っていろいろな話をしています。土日には、一緒に登山するようにもなりました。「次はどの山に行こうか?」という話で盛り上がっています。卒婚したら、同居しているときよりも仲よしになったと思います。

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取材・文/荒木晶子

※この記事は「ゆうゆう」2025年12月号(主婦の友社)の記事を、WEB掲載のために再編集したものです。

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