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「経済力がない妻は”卒婚できない”のか」夫婦問題のプロが教える【うまくいく卒婚キーワード】とは?

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ゆうゆう編集部

家族がいてもいなくても、自分軸を定めて生きる。その一つの形が「卒婚」です。識者の考える卒婚の意味とは? ここでは、夫婦問題研究家の岡野あつこさんにお話を伺いました。

お話を伺ったのは
岡野あつこさん 夫婦問題研究家・公認心理師

おかの・あつこ●立命館大学卒業。立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科修了。
1991年に離婚相談室を開設以来、約4万件の相談を受け、夫婦問題の研究家として後進の育成にも力を注いでいる。
NPO法人日本家族問題相談連盟理事長。

婚姻関係を続けながらお互いに自立した道を歩んでいきましょう

増える熟年離婚。卒婚との違いは?

最近は、50代以降の方からの離婚相談が増えています。女性だけでなく、男性からの相談も珍しくありません。理由はモラハラや浮気が多いですね。SNSが発達したことでモラハラが認知されるようになり、理由として堂々と挙げられるようになってきたのだと思います。離婚のハードルは下がっている印象です。

離婚は法的に婚姻関係を解消するものですが、では卒婚はどういうものでしょうか。法律の定めはありませんが、一般的には「婚姻関係を継続しながら、お互い自由に別々に暮らしている」ととらえられています。端的に言えば別居ですが、別居には夫婦仲が悪くなって離れて暮らすイメージがありますね。もう少し前向き・肯定的に夫婦の関係をとらえるのが卒婚です。夫婦の関係は卒業しますが婚姻関係は解消せず、お互いの自由を認め合う。別の道を歩みながらゆるやかなパートナーシップを結んでいる––––そういう夫婦の形が卒婚のイメージです。

相手に寄りかからない精神が妻にも夫にも必要です

前向きな夫婦関係の卒業は、どうすれば実現できるのでしょう。一番大切なのは、2人がお互いに精神的に自立していることだと思います。「気持ちをわかってほしい

「もっと自分を大事にしてほしい」と相手に期待していると、自分の思いをかなえてくれない相手に不満ばかりが募ります。相手に何かしてもらおうと考えるのではなく、まず自分の足でしっかりと立つ。自分にできないことを相手に求めず、「自分にはできない」と認めたうえでどうするかを考える。卒婚の第一歩はそこから始まるのではないでしょうか。もちろん、精神的な自立は妻だけでなく夫にも求められます。

相手に精神的に寄りかからなくなると、何かあったときには助け合おうという気持ちが芽生えます。相手への信頼を土台に、お互いに認め合う関係が築けているなら、「同居しながらそれぞれ自由に暮らしている」「離婚した」というケースだって、ある種の卒婚と言えるのではないでしょうか。

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