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「経済力がない妻は”卒婚できない”のか」夫婦問題のプロが教える【うまくいく卒婚キーワード】とは?

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ゆうゆう編集部

経済力があっても卒婚できるとは限らない

卒婚を考えるとき、もう一つ気になるのは経済的なことです。生活費は主に夫が担っているというご家庭も、まだまだ多いですね。経済力がない妻は、卒婚できないのでしょうか。

夫婦それぞれに暮らしを成り立たせる経済力があるならもちろんそのほうがいいのですが、経済的な自立は卒婚の絶対条件ではないと私は思います。お金を稼ぐ以外のことは相手に丸投げというのでは、離れて暮らすことなどできそうもありません。

精神的な自立ができていれば、別々に暮らすにあたって住居費や食費などの経済的な負担をどうするかということも、きちんと話し合えるはず。それぞれが自分の道を歩むための前向きな夫婦の形が卒婚ですから、経済的な負担の大きい側が一方的に損をするわけではないのです。いざ卒婚してみたら「話が違う!」とならないように、決めたことを書面にしておくといいと思います。

子育てや介護を終えた後に「妻」や「夫」の役割を卒業する卒婚は、魅力的に思えるかもしれません。でも、お互いに認め合う関係を保ちながら別々の道を歩んでいくには、それ相応の努力や覚悟が必要です。

卒婚なんて考えられないという夫婦でも、いずれどちらかが先に旅立ちます。そのとき、残されたほうは自分を見失わずに前向きに生きていけるでしょうか? 夫婦としてめぐりあった縁をいとおしみながら、一人で生きていくための練習をする––––卒婚とはそういうものではないかと思います。

岡野あつこさんが考える【うまくいく卒婚のキーワード】

①夫婦がお互いに信頼し合っている

相手の人格や価値観などを尊重する気持ちがないと、離れて暮らしながらよい関係を続けていくのは難しいものです。これまでにパートナーとどんな関係を築いてきたかが、問われているとも言えるでしょう。

②夫婦がともに一通りの家事ができる

食事が作れない、掃除ができないからと、定期的にパートナーに来てもらうのでは、自立しているとは言えません。最近は夫の家事能力が上がって妻への依存度が下がる傾向があり、卒婚の追い風が吹いているのかも?

③夫婦がともに経済的に自立できている(のがベター)

別々の世帯を維持していくことになるので、夫婦がともに自分の暮らしを成り立たせる経済力を持っているならそのほうがいいですね。ただし経済的な負担については、事前の話し合いでの取り決めも十分可能だと思います。

なぜ「妻の一言」はカチンとくるのか?

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取材・文/荒木晶子

※この記事は「ゆうゆう」2025年12月号(主婦の友社)の記事を、WEB掲載のために再編集したものです。

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