80年代ドラマの「不良役」で一世風靡。もう役者なんて嫌だ!その時にかけられたまさかの言葉【松村雄基さんのターニングポイント#1】
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恩田貴子
俳優として40年以上のキャリアを重ね、62歳の今なお、第一線で活躍する松村雄基さん。1980年代には「不良少女とよばれて」「スクール☆ウォーズ」などのドラマに“ワル役”で出演し、一世を風靡しました。そのきっかけとなった出来事とは? 俳優人生の転機となった出会いについてお話を伺いました。
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プロフィール
松村雄基さん 俳優、歌手、書家
まつむら・ゆうき●1963年、東京都生まれ。
80年、ドラマ「生徒諸君!」で俳優デビュー。
84年に、ドラマ「不良少女とよばれて」に出演し、以降、「スクール☆ウォーズ~泣き虫先生の7年戦争~」「乳姉妹」「ポニーテールはふり向かない」など、数多くのドラマに出演。
現在は、舞台を中心に活躍中。
書家としても活動し、第17回東京書作展にて内閣総理大臣賞を受賞。
奇跡の連続で、今日の僕がいるんです
2026年の年明け、1月2日から『わが歌ブギウギ-笠置シヅ子物語-』の舞台に立つ松村雄基さん。バッグの中には本作の台本––––の他に、なんと3冊もの台本が。舞台の世界に足を踏み入れてから30数年。年4本ほどの舞台に出演するのが常だという。
「本当にありがたいですよね。ずっと舞台に立たせていただけて。若い頃は仕事がなかった時期もありましたから、こうして舞台に立ち続けることができているのは奇跡の連続だと思っています。だって明日、どうなるかわからないじゃないですか。だから、役者をやっていけるという確信は、実は今もないんです。僕にできるのは、今日を精一杯生きることだけ。ガンジーの有名な言葉のように、『明日はないと思って今日を生きよう。永遠に生きると思って学ぼう』。その気持ちだけは持っています。実践はできていないかもしれませんが(笑)」
そう冗談めかして場をなごませる松村さんだが、長年舞台のオファーが絶えないことからも、その言葉通りの生き方がうかがえる。それは、こんな言葉からも––––。
「僕が舞台に立っていられるのは、自分のがんばりだけじゃないんですよね。『わが歌ブギウギ』で僕が演じる音楽家の服部良一さんが笠置シヅ子さんとの縁を得たように、僕もたくさんのご縁と、お客さまやファンのみなさまからいただくエネルギーのおかげで、ここまで続けてくることができたんです。だから感謝の気持ちを忘れちゃいけない。今の幸せを目いっぱい体に浴びながら、恩返しの気持ちで一つひとつの仕事に向き合っています」
