気分が落ち込む50代女性必見!【うつ状態とうつ病】の違いとは?
悩みを誰かに話すこと、楽しみを見つけることが大事
人間関係や身近な人の死など、さまざまなストレスもうつ状態の原因となる。
「ストレスを避けることは大事ですが、避けられないストレスもあります。親や配偶者など身近な人の死、病気や体の痛み、災害……。そんなときも、ひとりで抱え込まないでください。誰かに相談することで心が軽くなることがあります。そのためにも新しいコミュニティと関わり、気楽に話ができる人を見つけましょう。心の悩みは、親しい人には話しづらいけれど、逆にちょっとした知り合いになら話せるという場合もあると思います」
日々の生活の中で小さな幸せを見いだしたり、楽しいこと、笑えることを積極的に見つけたりするのも、うつ状態から抜け出すきっかけになる。
「落語や楽しい舞台など、笑える場所に出かけていくのもいいと思います。面白いと思える何かを、ひとつでも見つけられるといいですね」
専門医に「うつ病」と診断されたら治療が必要
うつ状態からうつ病になることもあるのだろうか。
「うつ状態とうつ病は基本的には別のものです。うつうつした気分でも普通に日常生活が送れているなら、うつ病ではないと思います。うつ病はメジャーな精神疾患のひとつで、精神科の専門医の診断が必要です」
個人差はあるが、うつ病の代表的な症状には以下のようなものがある。
・眠れない、眠りが浅い
・憂うつな気分に支配され、わけもなく悲しい、何の希望ももてない
・興味や喜びの感情がない、何をしても楽しくない、何かをしたい気持ちもない
・食欲がない
・性的な関心や欲求が低下する
・人と会うのがうっとうしく、外との接触を断つ
「眠れない、食べられない、楽しめないという状態が続き、日常生活に支障をきたす場合は、できるだけ早く精神科や心療内科、メンタルクリニックなど専門の医療機関を受診しましょう」
どこで受診したらいいかわからない場合は、医療機関のホームページを参考にしたい。
「医師の顔写真やプロフィール、コメントなどを見て、自分と相性がよさそうなところを探してみては。初診には1時間くらいかかるため、一日の患者さんの数を制限している医療機関もあります。予約が取りづらいことがあるので、医師が複数いる医療機関がおすすめです。うつ病と診断されたら医師の指導にもとづき、治療をします」
治療は薬物療法、認知行動療法、カウンセリングなどが柱となる。
「うつ状態の場合は積極的に動いていくことが大事です。うつ病の場合は、まずは何もしないで過ごす、休養が大切です。治療は年単位で続きますから、家族などの協力を得ながら、あせらずに過ごしましょう」
【ドクターから一言】
誰にでも起こりうる「うつ状態」。「なぜ私が」と悲観的にならずに積極的に人との関わりをもちましょう。
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取材・文/田﨑佳子
※この記事は「ゆうゆう」2025年5月号(主婦の友社)の記事を、WEB掲載のために再編集したものです。
※2025年4月13日に配信した記事を再編集しています。
