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ザ・タイガース結成前夜の秘話【77歳・加橋かつみさんのターニングポイント#1】衝撃を受けた出会い【2025年あの人の生き方が素敵!部門TOP5】

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藤岡眞澄

——でも、もともとは美術の道に進みたかった、と以前、インタビューで答えていらっしゃいます。

高校を卒業したら、東京の美大に行こうと考えていました。叔父が大手広告代理店の役員をやっていたこともあって、その伝手で代理店のグラフィック・デザイナーになれたら、と。

——そんな加橋さんの気持ちも、「ザ・ビートルズ」が変えてしまったということですね。

もちろん、音楽だけではなく、芸術全般にはそんな力がある、ということです。音楽も美術も、根本はいっしょだと思っています。

19歳、ザ・タイガースは『僕のマリー』でシングルデビュー

——そこからプロのバンド「ザ・タイガース」が誕生する経緯は?

「ファニーズ」が大阪の戎橋にあった「ナンバ一番」という音楽喫茶と専属契約してレギュラー出演するようになったあたりから、一気にファンが増えて、常に客席がいっぱいになるような状態でした。

「ローリング・ストーンズ」の『サティスファクション』を「全関西エレキバンド・コンテスト」で演奏したら、思いがけず優勝したのもこのころです。

そんなことが東京でも噂になったらしく、「ナンバ一番」にスカウトが見に来るようになっていました。

そうしたら、ドラムスの瞳が一人で勝手に東京に出て行って、渡辺プロダクションと契約の話を進めてきちゃったんです。

びっくりしましたけれど、これはしょうがないな、と。それでも、契約書にサインする気になったのは、僕が最後だったと思います。

あんな馬鹿なことがなければ僕はプロにはなっていなかったでしょう。趣味でバンドを続けていたと思います。

——5人で上京したのが1966年11月。バンド名を「ザ・タイガース」に変更し、翌年2月には『僕のマリー』でシングルデビューして、瞬く間に超人気バンドに上り詰めました。加橋さんが19歳のときですね。

あの頃は、朝から夜中まで分単刻みのスケジュールで働いていました。労働基準法違反もいいところです。

——猛烈に働いていらっしゃった……

猛烈、なんて甘いですよ。

——ダメですか?

ほとんど24時間労働ですから(笑)。

加橋かつみさんのターニングポイント①
「ビートルズの日本公演を見て、人の気持ちを一瞬にして変える音楽という世界があるんだと知った。音楽で伝えるほうが、学生運動よりよほどストレートだ!」

撮影/橋本哲

※2025年10月12日に配信した記事を再編集しています。

▼次回は、ザ・タイガース時代の話を伺います▼

>>名曲「花の首飾り」は30分で作られた【77歳・加橋かつみさんのターニングポイント#2】ザ・タイガースの舞台裏

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最新ライブ情報

「加橋かつみ LIVE 2026」
日程/2026年01月26日(月)
会場/銀座TACT
OPEN 18:00/START 18:30

「加橋かつみ LIVE in Rocky」
日程/2026年02月10日(火)
会場/ライブレストランRocky(五反田)
OPEN 18:00/START 18:30

詳細は、公式SNSにてご確認いただけます。
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