ザ・タイガースのオリジナルメンバーは全員、80歳手前で健在!「集まると昔話か健康の話です(笑)」【79歳・森本太郎さんのターニングポイント#4】
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藤岡眞澄
グループサウンズの黄金期を牽引したザ・タイガース。その中で森本太郎さんは、仲間から厚く信頼される存在でした。当時のGSでは珍しい自作曲「青い鳥」は今も多くのファンに親しまれています。衝撃的な成功の日々と解散、音楽プロデューサーの活躍など、森本さんの人生のターニングポイントについて伺いました。第4回は、タイガースの“同窓会”とこれからのこと。
▼第3回はコチラ▼
>>ザ・タイガース武道館解散の日。僕も沢田も涙で歌った『青い鳥』【79歳・森本太郎さんのターニングポイント#3】「タイガースのメンバーになれてよかった」と思いました
——解散から10年が経った1981年、「ザ・タイガース」のメンバーが再集結しましたね。
「サヨナラ日劇ウエスタンカーニバル」に「ザ・タイガース」として出演したのをきっかけに、サリー、トッポ、ジュリー、シロー(岸部四郎さん)と僕の5人で「ザ・タイガース同窓会」ができました。
解散10年目の節目だし……という感じで。ただ、芸能界を離れていたピーは参加しなかったので、再結成ではなく、「同窓会」です。
——『色つきの女でいてくれよ』のヒットもあって、「同窓会」の活動は幅広い世代から注目されました。
まず、沢田が曲を書いた『十年ロマンス』(作詞・阿久悠)をリリースしたんですけれど、歌詞にタイガース愛が詰め込まれていて、ファンの皆さんは懐かしさを覚えたはず。僕は好きな曲ですね。
その後、同じ阿久悠先生の作詞で僕が作曲した『色つき~』を出したら、コーセー化粧品の「春のイメージソング」に採用されたんです。あのころは化粧品のCMソング=ヒットする、という時代でしたから、一般の人たちの間にも浸透したんだと思います。
——その後も何度か、メンバーが集まってのライブが開かれていますね。
2011年、2012年は沢田のライブツアーにサリーと僕、芸能界に戻って来たピーも参加して全国を回りました。
2013年の「ザ・タイガース 2013 LIVE in 東京ドーム」にはトッポも加わって、オリジナル・メンバー5人が揃った再結成のステージになったんです。
——沢田さんが「今回はみんな5人でライブのいろいろなことを決めて、みんなで頑張って作り上げてきました」と超満員の観客席に向かってうれしそうに話す姿が印象的でした。
僕は曲の構成とかコーラスとか、音楽的なことを主に担当しました。
結局、みんなバンドが好きだし、「ザ・タイガース」が大好きなんですよ。いい曲にたくさん恵まれたことも幸せだと思っています。
——森本さんご自身のライブでも、「ザ・タイガース」の楽曲を演奏したり、メンバーが出演されたりしていますね。
「森本タロー 喜寿 バースデーライブ」(2023年)には、サリー、ピー、ジュリーがゲスト出演してくれることになって。テーマは「素晴らしい仲間たち」に決めました。
アンコールで沢田と2人きりで『青い鳥』を歌ったときは、胸が熱くなりましたね。つくづく「タイガースのメンバーになれてよかった」と思いました。
——ライブ以外にも、メンバーで集まる機会はありますか?
サリー、ピー、ジュリー、僕の4人でたまに食事会をするんですが、だいたいが昔話か健康の話です。
ところが、それぞれの記憶が噛み合わないことが多い。誰かが始めた昔話に、「えー、そうだっけ?」ってなって、話がややこしくなる。
それでもとにかく楽しいんです。メンバーとは京都のころから60年の付き合いですからね。この先も、友達付き合いは続きます。
——食事会で「ザ・タイガース」再結成の話題が出ることはありますか?
いまのところ、誰も言い出さない。でも、みんな高齢者もいいところですから、先延ばしにしている場合でもない(笑)。
最近、GS仲間から「全員が健在なのは『ザ・タイガース』と『ヴィレッジ・シンガーズ』くらいだね」と言われました。シローのことは残念でしたけれど、オリジナル・メンバーの5人は全員、80歳手前で健在ですからね。
