【寺島しのぶさん】12年ぶりに共演する藤山直美さんと何代にもわたって続く深い縁とは?
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志賀佳織
さまざまな作品で着実にキャリアを重ね、新たな挑戦を続けては私たちを楽しませてくれる俳優・寺島しのぶさん。この2月には、新橋演舞場で上演される舞台『お光とお紺〜伊勢音頭 恋の絵双紙〜』に出演します。共演する藤山直美さんとともに、舞台にかける思いについて聞きました。
「人を惹きつける『華』がある」
デビュー以来、次々と話題作に出演、難しい役柄に挑みながら着実にキャリアを重ねてきた寺島しのぶさん。今や押しも押されもせぬ演技派俳優だが、この2月に、12年ぶりに藤山直美さんと舞台で共演するというから、また楽しみだ。演目は『お光とお紺〜伊勢音頭 恋の絵双紙〜』、新橋演舞場で1カ月にわたる公演となる。稽古に先立って行われた会見のやり取りでは笑いが絶えず、二人のコミュニケーションのよさが早くも伝わってきた。
「実は私たち、誕生日が一緒なんですよ。だから毎年その日だけは、どんなに忙しくてもコンタクトを取るような仲でございまして、こうやって一緒にお芝居させていただけることもすごく嬉しく思っております」と藤山さんが言えば、寺島さんも、「直美さんとまたご一緒させていただけるなんて夢のようです。もう、はっきり言って内容とかはどうでもよくて(笑)、直美さんと一緒にお芝居ができるんだったら何でもやります!というぐらい直美さんのことを尊敬しています」と相思相愛、息もピッタリだ。
87年、98年に『油屋おこん』というタイトルで上演され好評を博してきたが、今回はこれを「喜劇」として脚色。
村一番の美しさを誇り、村を救うために進んで古市に売られて遊女となるお光(寺島しのぶ)と、庄屋の娘で、明るくたくましく、そして、その愛嬌で人気遊女となるお紺(藤山直美)という二人の幼なじみの女の友情を描く物語として生まれ変わった。この二人の実力派俳優によって繰り広げられる喜劇と聞いたら、もうその展開が楽しみで仕方ない。
ちなみに、二人の共演はこれが5度目。97年の『浅草慕情~なつかしのパラダイス~』(新橋演舞場)など3回の舞台に加えて、14年にはドラマ『最強のオンナ』(MBS)で共演。今回はそれ以来、12年ぶりの共演となるそうだ。
「私が直美さんをすごいなって思うところは、お芝居そのものもそうなんですけど、人を笑わせた後の『孤独』なんですよね。人を笑わせることにすごく長けていらっしゃる方なんだけど、そうやって笑わせた後にスッと冷たい目になる。それを見るのが私は大好きなんです。そして以前ご一緒したときもそうでしたけど、中村勘三郎さん、柄本明さんとともに、台本があってもないような感じで、人間で見せる芝居をされる。当時若かった(中村)獅童君や私は、その方たちの掛け合いを宝物のように見ていたんです」
そう語る寺島さんを、藤山さんはこんなふうに評している。
「やっぱり役者には『華』がないとあかんわけですよね。パッと出てきたときにワッとみんなが惹きつけられる『華』がね。それがこの人にはあるんですよ。それに本当に悪の分子がない。善の分子しかないので、仕掛けてやろうとか、だましてやろうとか、こうやっておいたら得かななんていう気が全然ないんです。ちょっとくらい持てばいいのにと思うぐらいない。でもそういうところが、私、すごく好きなんですね」
