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【寺島しのぶさん】12年ぶりに共演する藤山直美さんと何代にもわたって続く深い縁とは?

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志賀佳織

何代にもわたって続いてきた縁

14歳の開きがあるという二人だが、こんなふうに俳優同士としても、ひとりの人間としても、互いの演技力だけでなく、人柄をも尊敬し合える関係であるのは、うらやましい限りだ。やはり「同じ誕生日」という引力が働いているのだろうかと思っていたら、実はそれ以上に深い縁があることが藤山さんから披露された。

その昔、藤山さんの父である喜劇王・藤山寛美(かんび)さんが、莫大な借金を抱えて、所属していた松竹の契約を切られてしまったことがあった。当時、映画界には「五社協定」があり、一社が使わなくなったら他の四社のどこも使うなという一律のルールがあったため、藤山さんの母は子どもたちを連れて里に帰るようなことにまでなっていたのだが、そのときに「食べていけへんかったら、えらいことになるやろ」と言って救いの手を差し伸べてくれたのが、名プロデューサーであった寺島しのぶさんの祖父、つまり富司純子さんの父である俊藤浩滋(しゅんどうこうじ)さんだったのだ。

結果、寛美さんは東映作品に出演するようになり、直美さんも子役として出演するようになった。65年の映画『色ごと師春団治』では、妻役を藤純子(現・富司純子)さんが、その子ども役を直美さんが務めたという。しかも、富司さんが卒業した京都女子高等学校の、直美さんが後輩に当たるという。いかに縁が深いかがわかるエピソードだ。

「だから、本当にこちらのお家は恩人なんです。一代同士どころではない、上のほうも絡み合うているので、何か私はしのぶさんに恩返しせなあかん。正直何もできませんけども、一緒に頑張ることによって何かいいものができればいいなという感じです」

そういう藤山さんの言葉を、隣の寺島さんも深くうなずきながら聞いている。

「私も母からずっとそのことは聞いていて、寛美さんの芸も大好きですし、すごく昔から長い時間を経てつながっているんだなぁと思いながら、いつもお芝居させていただいています。今回、12年ぶりにその直美さんとやらせていただくことで、なにかまた新しい、以前の共演のときに見せていただいたように、台詞以外のことが楽しくなっていけば、もっとこの話も膨らんでいくのかなと思ったりもします。一旦は恋敵になる役柄なんですけど、嫌いでそうなったわけではなくて、互いにリスペクトしながら変わっていく様がよく描かれているので、皆さんにも楽しんでいただけたら嬉しいですね」

プロフィール
寺島しのぶさん 俳優

てらじま・しのぶ⚫1972年京都府生まれ、東京都出身。
父は七代目尾上菊五郎さん、母は俳優の富司純子さん。
92年に文学座に入団。早くから頭角を現し、96年に退団後も舞台、映画、テレビドラマで演技派として活躍。
2003年に映画『赤目四中八瀧(あかめしじゅうやたき)心中未遂』『ヴァイブレータ』で、日本アカデミー賞最優秀主演女優賞、ブルーリボン主演女優賞をはじめ、日本国内外で10以上の賞を受賞。
10年に映画『キャタピラー』でベルリン国際映画祭最優秀女優賞(銀熊賞)受賞。
22年『文七元結物語』、25年『芝浜革財布』で歌舞伎座の舞台に立ち話題を呼ぶ。
私生活では07年にフランス人アートディレクターのローラン・グナシアさんと結婚、12年に長男・尾上眞秀(まほろ)くんを出産。

【Information】『お光とお紺〜伊勢音頭 恋の絵双紙〜』

紀州熊野の寺谷村は年貢のため、娘たちが遊女に売られていく貧しい村である。とびきりの美人である16歳のウメ(寺島しのぶ)を人買いが古市へ連れて行こうとすると、ウメとは姉妹のように育った庄屋の娘・トシ(藤山直美)が「ウメが行くなら私も行くで」と言って聞かない。根負けした人買いは、二人を連れて行くことに。伊勢の古市の油屋へ売られたウメは遊女・お光となり、売れっ妓となる。下働きとして働き始めたトシだが、お光の旦那になるはずだったお大尽がトシを目に留め、遊女・お紺となる。しかし、ともに遊女となった二人の間には溝ができ始めてしまう。やがて二人の前に討幕運動に身を投じる青年・福岡貢(葛山信吾)が現れ、お光は貢のためお紺にある頼みごとをする。それぞれの思惑を乗せた伊勢音頭が流れる中、大立ち廻りが始まるが……。

作/小幡欣治 脚色・演出/浅香哲哉
出演/藤山直美、葛山信吾、大津嶺子、澤村宗之助、瀬川菊之丞、いま寛大、田山涼成、寺島しのぶ

【日程】2026年2月5日(木)~24日(火)新橋演舞場
【料金】1等席 13,500円/2等席 8,500円/3階A席 5,000円/3階B席 3,500円
桟敷席/14,500円

チケットホン松竹☎︎0570-000-489、もしくは03-6745-0888(10:00〜17:00)
チケットWeb松竹(24時間受付)https:www1.ticket-web-shochiku.com/t/

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撮影/佐山裕子(主婦の友社)

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