ベストセラー「怖い絵」シリーズの作者【中野京子さん】。新刊『希望の名画』への思い、2026年におすすめの絵画展情報も!
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ゆうゆう編集部
ゴッホの喜び、希望が伝わる「花咲くアーモンドの木」
取り上げた30点の中で中野さんのお気に入りの絵を尋ねてみた。
「どれが好きかは、その日の気分によっても違うので、これ、とは答えられないのですが……。ただ、本書の最後に取り上げた、ゴッホの『花咲くアーモンドの木』は、ゴッホの中でも好きな作品ですね」
美しい一面の青空に、淡いピンクの花を咲かせたアーモンドの木の枝が大きく広がる作品。ゴッホが弟のテオから「長男が生まれ、お兄さんと同じフィンセントと名づけた」という手紙を受け取った直後に描き始めた絵だという。
「ゴッホの短い生涯で、この絵を描いているときが、最も希望と喜びに満ちた幸せなときだったのでしょう。輝くような希望が伝わってきます。日本的な色合いなのも好きですね。この絵のスカーフも持っているんですよ」とほほ笑む中野さん。
写真で身に着けているスカーフがそれ。お気に入りの絵を身にまとう! それも、絵の楽しみ方のひとつ。
最後に、中野さんおすすめの2026年の絵画展を教えていただいた。
「まず、9月に国立新美術館で開催される『ルーヴル美術館展 ルネサンス』。日本初公開のレオナルド・ダ・ヴィンチの『女性の肖像』(通称・美しきフェロニエール)がやってきます。ダ・ヴィンチのような貴重な絵は、なかなか国外に出ないので楽しみです。11月には東京都美術館で『オルセー美術館所蔵印象派展』が。ミレーの『落穂拾い』がきます。それと、好き嫌いがあるかもしれませんが、4月から東京都美術館などで開かれる『アンドリュー・ワイエス展』も。ワイエスの絵は、髪の毛の一本一本が繊細に描かれているなど、近寄って観ると面白いと思います」
PROFILE
中野 京子さん
なかの・きょうこ●作家、ドイツ文学者。北海道生まれ。
「名画の謎」シリーズ、「怖い絵」シリーズ、『西洋絵画のお約束』など著書多数。
月刊誌『文藝春秋』の連載「中野京子の名画が語る西洋史」は14年に及ぶ。
希望の名画
中野 京子著 文藝春秋
一枚の絵から切り取られたごく一部をじっくり観ることで、絵の世界がぐんと広がる。そんな経験ができる一冊。「暗いことの多い時代、絵画から希望の一筋を感じていただけたら」と中野さん。
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※この記事は「ゆうゆう」2026年3月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のために再編集しています。
取材・文/田﨑佳子
