記事ランキング マンガ 連載・特集

【意外なデビュー秘話】上野千鶴子は公募23回落ちてもなぜ折れない?「ガラスの天井」を越える生き方のコツ

公開日

更新日

ゆうゆうtime編集部

人と同じでなくていい——その「違い」を力に変え、人生を切り拓いてきた女性たちがいます。華やかな経歴の裏には、誰にも見えない葛藤と、「ガラスの天井」を越えてきた確かな歩みがありました。医師・鎌田實さんが、女性ゲストの人生をあたたかく、軽やかにひもとく新刊『女の“変さ値”』(潮出版社刊)。今回は、その中から上野千鶴子さんへのインタビューの一部をご紹介します。

フェミニストとしての論壇デビュー

上野さんは短大のポストを得るまでにさまざまな公募に23回もエントリーした。そして、2年後にフェミニストとして論壇にデビューすることになる。1982年の『セクシィ・ギャルの大研究』(光文社)の刊行である。

「『セクシィ・ギャル』は大顰蹙(だいひんしゅく)を買いましたね。大学の外でやっていた日本女性学研究会というサークルでの研究成果を本にしたんですが、下ネタで売り出した若いネエちゃん研究者というレッテルを貼られてしまいました。

ただ、私は軟派(なんぱ)なものだけじゃなくて常に硬派な研究もやっていて、同年には『主婦論争を読む』(勁草書房)という本も出版しています。これも同じ研究会の成果を本にしたものですが、ブレイクしたのは下ネタのほうでした」

デビュー作によって、アカデミアよりも先に、メディアからの注目が集まったようだ。いろいろなメディアから注文がくるようになったが、その一方で学生の親からは短大にクレームが入ったという。あんな女性研究者を女子教育の教壇に立たせるとは何事か──。

しかし、学生たちは“親近感”を抱いたのか、上野さんの研究室にやってきては赤裸々(せきらら)な相談事を持ちかけてくるようになった。

「彼女たちは、本を読まないリアリストでね。『先生って本書いてはるんやって? うちのお母さんが言うてたわ』って、自分は読んでいないんです。

そんな彼女たちを相手に社会学の入門講座をやるためには、マックス・ウェーバーやマルクスの名前を出さずに社会学の面白さを伝えないといけない。それはもう、本当に鍛(きた)えられましたよ。あの子たちが今日の私をつくったと言っても過言ではないですね。感謝しています」

Profile 上野千鶴子さん

うえの・ちづこ●社会学者
1948年富山県生まれ。京都大学大学院社会学博士課程修了。東京大学名誉教授・認定NPO法人ウィメンズアクションネットワーク(WAN)理事長。女性学、ジェンダー研究のパイオニアとして活躍。高齢者の介護とケアも研究テーマとしている。著書に『おひとりさまの老後』(文春文庫)など多数。

「アスタリフト」をたった7日試しただけでわかったこととは

「アスタリフト」をたった7日試しただけでわかったこととはPR

詳細はこちら
画面トップへ移動