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キムラ緑子さん64歳が大切にする「ありのまま」の暮らし。結婚、離婚、再婚を経て、たどり着いた今

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藤岡眞澄

「VIVANT」で櫻井司令を演じているキムラ緑子さん。年末には一転、ギリシャ悲劇の王妃役に挑みます。舞台『エレクトラ』で演じるのは、夫を自ら裁いた妻。母への復讐に燃える娘と対峙します。一方で、淡路島の実家へ片道6時間半をかけて帰り、両親と過ごす時間を大切にしているキムラさん。インタビュー第3回は、家族への思いを伺いました。

▼前回はコチラ▼

>>キムラ緑子さん64歳、舞台やドラマで多忙な日々。「親といられる時間がいちばん大事」と淡路島へ月数回、片道6時間半の「帰省」

プロフィール

キムラ緑子さん 俳優
きむらみどりこ●1961年生まれ。兵庫県淡路島出身。劇団M.O.P.を経て舞台のみならず、映画・ドラマで幅広く活躍。NHK連続テレビ小説「ごちそうさん」で注目を集め、近年は「VIVANT」、NHK連続テレビ小説「おむすび」などに出演。2026年12月、舞台『エレクトラ』に出演予定。

「年とっている、だけど、なんか見てしまう、になりたい」

1961年生まれのキムラさん。映画館や美術館など、いわゆる“シニア割”の対象年齢になった。

「美術館のチケット売り場の横で『一般で』とチケットを買っているおじさんにうらやましさを感じながら、『シニア‼2枚』と展覧会に入るおじいさん(マキノさん)とおばあさん(キムラさん)です」

いま、途切れることなく話題作に出演しているキムラさんだが、金銭感覚は昔と変わっていない、と話す。

「たとえばお金がバンと入ったとしても、ちまちましているのは昔からずっと。だって、学生時代に一人暮らしも経験しているし、京都で長いこと劇団をやっていたときからお金持ちでもなかったし。だから、金銭感覚はしっかりしていると思います。たまに使い過ぎちゃったなと思う心はあるから。それは貧乏人の性(さが)ですね(笑)」

カラオケのシニア割もちゃんと用しているそうだ。

「課題曲の練習をしに歌いに行くんですけれど、会員カードに“60歳以上”って設定してもらっているから、カードを出せば割引、です」

小さい頃は歌手になりたかったというキムラさんは、1970年代の人気番組「スター誕生!」(日本テレビ系)の地方オーディションを受け、最終に残りながら落選、という過去を持つ。

だが、18年ほど前から、ラスベガス生まれの日系三世の歌姫「ドリー・キムラ」に扮し、俳優の大谷亮介さん扮する「タニー・オータニ」とともに「ドリー&タニー」のユニット名で、年に1回ほどのゆるやかなペースでライブ活動を続けている。

カラオケで課題曲の練習に取り組み、幼い頃の「歌手になりたい」という夢も大切にしているのだ。

「この仕事を続けていて、できなくなることもありますよ。歳とったなぁとしみじみ思うこともあるし、受け容れなきゃしようがないって思うこともあります、悔しいけれど。でも、周りが最近、年上扱いしてくるから、少し前までそれが嫌だったけれど、乗っかってやろうと思うようになりました。もちろん、できるだけがんばります。役者だから、言われたことはやらないと仕事ではなくなってしまうので、ギリギリまでがんばりますけれど」

そんなキムラさんは、年齢をそのままに受け入れて“おばあちゃん”を演じる海外の女優の姿に共感している、という。

「私は自然のままがいいと思っているんです。ちゃんと老いよう。そのまま年をとって、ちゃんとおばあちゃんもやれるようになりたい。ありのまま、です」

年齢を重ねて刻まれた顔のシワも、「それが人間だと思うから」。

「役者って、人間を見せる職業なんです。きれいだとか、かわいいとか、そういう価値観をねじ伏せられるような芝居をしなきゃいけないということですね。年とっている、だけど、なんか見てしまう、になりたい。これ、なんかかっこよくない?」

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