【ブラッサム】珠(石橋静河)はいつ再び書き始めるのか?実在のモデルがいるドラマならではの楽しみ
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田幸和歌子
1日の楽しみは、朝ドラから! 数々のドラマコラム執筆を手がけている、エンタメライター田幸和歌子さんに、NHK連続テレビ小説、通称朝ドラの楽しみ方を毎週、語っていたきます。作家・宇野千代をモデルに、明治・大正・昭和を生き抜いた葉野珠の人生を描く「ブラッサム」のレビューです。
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朝ドラ【ブラッサム】あの有名作家も登場!? 大作家誕生を予感させる演出にワクワク北の大地でのささやかな幸せを
作家・宇野千代をモデルとした主人公の人生を描き、主人公珠を石橋静河が演じるNHK連続テレビ小説『ブラッサム』の第6週「ふたり、北へ」が放送された。
週5話、放送期間は半年というテレビドラマとしては長い期間の放送となる朝ドラではあるが。宇野千代の歩んだ98年の濃密な人生をそこにおさめていくためか物語は少女時代からテンポよく駆け抜けていく。
前週はふるさと岩国から上京、保(金子大地)の下宿先での生活をスタートさせ、出版社近くのレストラン「悠楽軒」で働くなか、芥川龍之介をモチーフとした人気作家の秋山格之介(高良健吾)や売れ行きNo. 1の文芸誌『首都公論』編集長の黒崎(遠藤憲一)など、文芸の世界を引っ張る人物との出会いを重ねることにより、女学校時代の同人誌以来に「読む」から「書く」ことへの情熱が高まり、自伝的短編を書いたりするようになった。
このまま作家への道へとまっしぐら、という流れになったかのような段階で、珠の妊娠が発覚した。おめでたいことであり、珠自身も幸せな気持ちに包まれるものの、また珠の生活は大きく変わっていく。保はまだ帝大生、珠もレストランで働くことが難しくなる。保は新聞配達を始めることになるが、それだけでは出産や育児を成り立たせるには心もとない。そんななか現れたのが保の親戚の正吾(三宅弘城)だ。
札幌の銀行に勤める正吾は保たちに援助をするかわり、卒業後に北海道で働くという条件を提示してきた。「ふたり、北へ」である。正式に入籍し、北海道で始まるであろう生まれてくる子供との新たな未来に胸をふくらませていたところ、お腹の子は早産によって亡くなってしまう。楽しみに準備していた肌着を手にし涙を流す珠。実際にそうであったことは宇野千代自身の経験としてわかってはいるものの、つらさは胸にせまる。
保はその悲しみを一緒に乗り越えていくために、卒業を待たずして北海道への移住を決めた。すべてを捨ててきた東京から、もう一度リセット、新天地・札幌でのふたりの人生が新たに幕をあけた。東京での最初の生活が描かれたのもわすかな期間で、東京で出会った登場人物たちになじみ始めたところで今度は北海道に舞台は移る。依然として展開が早い。
正吾夫妻のもとで始まる新たな暮らし。珠は仕立てを請け負う仕事を始め、近所の人たちから注文が相次ぐようになった。やりとりを重ねるうち、近所の女性たちとほどなく打ち解けていき、早産の悲しさも少しずつ癒されていくよう。
「元気な赤ちゃんが生まれてきますように」
今週終盤にはそんな言葉とともに赤ちゃんの肌着を仕立て手渡せるほどに気持ちの整理がつくようになっていたことも印象的な演出だ。
保も保で新たな環境に早々に馴染んでいるようで、北の大地でのささやかな幸せを享受する日々がつづく。
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