40代・料理家の「私らしいお金の使い方」時間とお金、どちらも無駄にしないバランスとは?
年齢を重ねると、若いころのように時間がふんだんにあるわけではないということに気づきます。1日24時間は同じでも、集中できる時間は限られてきて……。だからこそ、時間を大事に使いたいですね。作りやすくて体にやさしい料理に定評がある、料理研究家で栄養士の牛尾理恵さんが、いつも心に留めているのは「Time is money.」という言葉。ここでは、40代の牛尾さんが実践している家計管理や、お金の使い方のコツを紹介しましょう。
目次
牛尾理恵さん(料理家)
年齢:40代
同居家族:夫
住まい:マンション(分譲)
私の家計管理|暮らしと仕事、お金は見えない糸でつながっています
お金を無駄にしないことは大切ですが、時間と労力をかけて自分の心をすり減らすことはしたくないと思っています。
結婚当初は汗だくになって夫のワイシャツにアイロンがけをしていました。5枚もかけると1時間ほどかかります。でもクリーニング店なら1枚150円できれいに仕上げてくれる。時給換算すると、プロにお願いするほうがコストパフォーマンスがいいと気づきました。その空いた1時間は仕事や趣味を楽しむ時間にすれば、自分自身の価値が上がって収入増にもつがなります。
ダイエットしたら健康系料理本の依頼が来た、着物をお気に入りの1枚に絞ったら着物の取材を受けた……。一見するとお金と関係なさそうなことでも、「やる」と自分で決めたことを頑張って継続したり、ものの持ち方を見直したりすると、それに関連する仕事が舞い込むという経験をたくさんしてきました。
仕事で得たお金は、自分の大切な時間を費やして得た対価です。だからその価値にふさわしいお金の使い方をしたいです。安さばかりに気をとられて自分の価値を下げるような言い方や買い方はしないように気をつけています。
家計管理は、収支を把握することを第一に。いくら稼ぎ、いくら使っているのかわからなければ節約も貯める工夫もできません。主にクレジットカードで買い物していますが、カード明細を家計簿がわりにしてこまめにチェックしています。
バッグの中身はすべて出す習慣です。財布の小銭は、たとえ999円でもクローゼット内の小銭入れに移します。財布の傷みを防止できるし、意外と貯まるもの。財布はイルビゾンテ。ポイントカードはほぼ作らず、アプリポイントカードもダウンロードしません。
食の工夫|食事が健康な体をつくり、仕事を続けていく糧になります
料理の仕事をしているので、食材にはお金を使っていると思います。日々の食事が仕事の役に立ち、収入につながるためです。
また、きちんと栄養をとって健康でいるからこそ、仕事を続けていくことができます。安いからと質の悪いものを買うことはしません。質がよくて低価格であるなら購入するし、豪華な食材を糸目なく使うわけではありませんが、節約を気にしてストレスを感じないようにしています。
お酒も同じ。友人との楽しい時間、おいしい料理を盛り上げるためには必要ですが、日々の晩酌は健康にも財布にもいいことはないと思います。
おすすめレシピ 手作りサラダチキン
まとめて購入したときに作っておくと便利な、手作りサラダチキン。ゆっくり火を通すことで、むね肉でもパサつかずしっとり仕上がります。
材料(作りやすい分量)
鶏むね肉…1枚
塩…小さじ1/2
調味料のこだわりは塩。ただし近所で買えるものを
調味料はすべて高くていいものにしなくても、ちょっといい塩があれば味が決まります。今使っているのは「海人の藻塩」と「粟國の塩」。ネットでわざわざ注文すると続かないので、近所のスーパーにある中でお気に入りを選んでいます。
調理後はすぐ掃除。特別な洗剤は必要ありません
使うたびに五徳をはずしてサッと水拭き。まだ温かいうちなら、油汚れも洗剤いらずで拭きとれます。お湯を沸かしただけでも拭く習慣がつきました。しっかり掃除する際も、使うのはセスキやクエン酸、重曹、アルコールくらいです。
私らしいお金の使い方|気に入って手に入れたものは、役割を変えて長く使います
すっきりした空間を保ちたいと思っているので、余計なものは買いません。必要になっても、まずは手持ちで代用できないか考えます。
スポーツジムの会費や運動器具は投資です
家にある数着を手放しても欲しいと思える服だけ購入
思い入れのある小物は使える形にリメイク
貯める・備える|具体的な目標ができ、貯蓄計画がスタートしました
仕事柄、できるだけ長く働き続けたいと思っています。そのためにはヘルシーな食事と運動で健康に気を配ること。また、いつお客様が来ても快適に仕事ができるように部屋を整えておくことも心がけています。
でも年をとると今のペースで仕事をすることはできないかもしれないので、年齢的に今後は何ができるかを模索する日々。印税収入などの悠々自適な暮らしに憧れることもありますが、おそらく性に合いません。自分の体を動かし、社会とつながるような仕事をし続けたいなと思っています。
暮らし面では、10年後を目安に住まいを移したいという夢が芽生えました。ここ数年で家にいる時間が長くなり、ライフスタイルについて考える機会が増えたからかもしれません。
もともとお金は苦労しない程度あればいい、あるもので十分という考えが私のベース。これまでは成り行きに任せて貯蓄していましたが、目標を掲げると頑張りがいがあるというもの。今はその夢に向かって、貯める計画が動き出したところです。
ただ、投資の才能はない気がするので今は手をつけていません。ドル建ての積み立てと、貯蓄型生命保険に加入しているくらいです。信頼する方に相談して選びました。
昔に比べて現代は思った以上に変化のスピードが速いと感じています。10年後、20年後がどのように変わっているのか、自分の気持ちがどうなっているのか。予測はできませんが、前向きな目標を掲げ計画を立てておくことは、決して無駄ではないと思っています。
※この記事は『素敵に暮らす大人のお金のコツ』主婦の友社編(主婦の友社)の内容をWeb掲載のため再編集しています。情報は掲載時のものです。
※この記事は2024年7月23日に文章構成を変更しました。
料理家
牛尾理恵
料理研究家。東京農業大学短期大学を卒業後、栄養士として病院での食事指導に携わる。食品•料理の制作会社を経て、料理研究家として独立。作りおきや糖質オフのおいしいおかずが好評。家庭のおかず、圧力なべレシピから愛犬のためのごはんまで、得意ジャンルは幅広い。手間は最小限でおいしく、忙しい人でも無理なく作れる、おしゃれでバランスのよい料理に定評がある。著書は『喜ばれるおせち料理とごちそうレシピ』(朝日新聞出版社)、『がんばらなくてもできちゃう!基本のおかず100(実践No.1シリーズ)、『毎日、朝ラク10分弁当』(ともに主婦の友社)など多数。
料理研究家。東京農業大学短期大学を卒業後、栄養士として病院での食事指導に携わる。食品•料理の制作会社を経て、料理研究家として独立。作りおきや糖質オフのおいしいおかずが好評。家庭のおかず、圧力なべレシピから愛犬のためのごはんまで、得意ジャンルは幅広い。手間は最小限でおいしく、忙しい人でも無理なく作れる、おしゃれでバランスのよい料理に定評がある。著書は『喜ばれるおせち料理とごちそうレシピ』(朝日新聞出版社)、『がんばらなくてもできちゃう!基本のおかず100(実践No.1シリーズ)、『毎日、朝ラク10分弁当』(ともに主婦の友社)など多数。