【69歳・郊外の団地暮らし】重松久惠さん「70歳になったら、年金だけの暮らしの予行練習も計画中」
人生の後半戦、“自分サイズ"を見直して、シンプルかつコンパクトに暮らし替えをされた方を紹介する「小さい暮らし」の見本帖。前回に続き登場いただくのは、商品開発コーディネーターの重松久惠さん。66歳で購入した郊外の団地で暮らし、創作、人づき合いが重なり合う毎日を送っています。後篇は、70歳からの計画について。
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69歳 郊外の団地暮らし 重松久惠さん。都心暮らしから一変!「やめたこと、手放したもの」は何ですか?70歳で青森への短期移住を計画中!
敷地にゆったりと立つ団地は開放感があり、新緑の季節に窓が“緑の壁”でおおわれるところも重松さんの大のお気に入り。日当たりもよく、リフォーム済み物件だったため窓はペアガラス仕様。冬の暖房費はかなり抑えられたとか。
ひとつだけ不安だったというのは、同じ団地の人たちとのおつき合い。「どんな人たちが住んでいるのかがわからず、少し構えていた部分もあった」そうだが、その心配は冒頭の様子からも杞憂だったようだ。
現在69歳の重松さん。70歳を迎えたら仕事のペースを落とし、1年限定で青森に小さな部屋を借りて現地で裂き織りを学ぶ計画を立てている。
「コロナの時期に始めた趣味でしたが、面白さに引き込まれ、もっと本格的にやってみたいという気持ちが芽生えたんです。青森での“小さな生活”は、年金だけの暮らしの予行練習になるんじゃないかなと思っています。
海外旅行には年2回出かけるなど、お金は湯水のように使うのが好きでしたが(笑)、お金の使い方もリセットできそうです。手仕事で生み出したものを販売して収入を得ることは80代や90代になってもできそうですから、71歳でここへ戻ってきて以降も自分のペースで長く働き続けたいと思っています」
料理が好きな重松さんは、友人たちとの食事会も変わらず続けていきたい習慣だとか。
「暮らしと、創作と、人とのつながり。その3つが心地よく重なり合うような毎日を、これからも丁寧に紡いでいけたらいいなと思っています」
「はじめたこと」は何ですか?
団地ならではの「階段のコミュニティ」をきっかけに、ご近所さんとの交流がスタート
「私の住む団地は同じ階段を共有する10世帯がひとつのコミュニティで、階段掃除や枯れ葉掃除を全世帯で行います。
最初は不安でしたが、掃除をきっかけに自然とあいさつや会話が生まれ、いい関係づくりに役立っています」
自宅で手仕事に取り組む時間が増え、工房通いも始めました
「郊外に引っ越したことでひとりで過ごす時間が増え、刺し子やパッチワーク、ダーニングなどの手仕事とじっくり向き合えるようになりました」。
手縫い風に仕上げられる刺し子ミシンがお気に入りの相棒。織物を本格的に学ぶために、八王子の工房にも通い始めた。