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遺族年金、そして離婚時の年金分割―女性のための年金完全ガイドー

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ゆうゆう編集部

人生の転機と女性の年金②~離婚時年金分割~

もう一つの転機、離婚について見ていきましょう。離婚をした場合、婚姻期間中の厚生年金の記録を夫婦で分け、それぞれ自分の年金にできる制度があります。「離婚時年金分割」といい、この対象は、婚姻期間中の厚生年金部分に限られます。また多いほうから少ないほうへ分割するため、必ずしも夫から妻への分割とはならない点に注意が必要です。分割の方法は、「合意分割」と「3号分割」の2種類があります(図表4)。

「合意分割」とは夫婦2人の請求により行う方法で、夫婦の合意が必要です。分割の割合は、50%を上限に合意によって決めますが、合意がまとまらなかった場合は、家庭裁判所で、調停か審判によって決定することになります。「3号分割」とは国民年金の第3号被保険者に該当する方(サラリーマンの妻など)が選択できる方法です。夫婦の合意は不要で、1人で請求することができます。分割の対象は、2008年4月1日以後の婚姻期間のうち第3号被保険者だった期間で、分割の割合は一律50%です。

「離婚時年金分割」は、離婚すれば自動的に行われるものではなく、その請求期限が離婚から2年以内とされています。請求に必要な書類は日本年金機構のホームページからダウンロードできるので、必要に応じて確認してみてください。

年金は、ライフステージの変化に大きく影響を受けます。制度をきちんと把握して、漏れなく受け取りたいものです。

●法制度などは、2022年1月末現在のものです。


※この記事は「ゆうゆう」2022年4月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のため再編集しています。
※この記事は2024年7月25日に文章構成を変更しました。

監修者

社会保険労務士

北村庄吾

きたむら・しょうご●1961年生まれ。熊本県出身。社会保険労務士、行政書士、ファイナンシャル・プランナー。ブレイン社会保険労務士法人代表。年金制度に造詣が深く、テレビ出演多数。

きたむら・しょうご●1961年生まれ。熊本県出身。社会保険労務士、行政書士、ファイナンシャル・プランナー。ブレイン社会保険労務士法人代表。年金制度に造詣が深く、テレビ出演多数。

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