ひとり暮らしでも孤独にならない方法は? 医師 樺沢紫苑さんがアドバイス
ひとり暮らしでも「孤独」な生活は送らない
人と会わない孤独な生活は、認知症の原因の一つになるといわれています。気の合う友達など、楽しく笑い合える人がいれば大丈夫。良好な交友関係を築く秘訣をアドバイスします。
本音を話せる友達がひとりいれば十分
年を重ねると、ライフスタイルや環境の変化で、親しかった友人と疎遠になることも多々ある。しかし友達が大勢いる必要はなく、心を許せる人がひとりいれば十分。友達を増やすために、仲よくしたくない人とも親しくなろうと努力することや、気乗りしない集まりでニコニコすることはしなくていい。「本音を話せる人とだけ仲よくしよう」という割り切りも大切だ。
友達と定期的に会って話すことが健康に生きる秘訣
友達がいない孤独な状態は、「たばこを1日15本吸う」「肥満者の死亡率の2倍」に匹敵するほど病気リスクが高いといわれている。コミュニケーションは癒やしであり、友達とのおしゃべりはオキシトシンというリラックス物質を分泌させ、ストレス解消につながる。ストレスで悩みを抱えていても、友達に話すことで癒され、心の健康が保たれる。友達との時間を大切にしよう。
本当に心を許せる? 「毒友」に注意
一緒にいても楽しいどころか、モヤモヤして疲れる……。こういう友達を「毒友」と呼び、あなたにとって百害あって一利なし。誘われてもていねいに断ることを繰り返し、自然な形で疎遠になるようにしていこう。
「毒友」チェックリスト
・一緒にいて楽しくない、疲れる
・ストレスが増える
・自分優先
・あなたを責める
・自慢やマウンティングが多い
・悪口、ネガティブな言葉が多い
・困ったときに助けてくれない
・メールやLINEの返信をしないと腹を立てる
友達づくりには「コミュニティ」に所属してみる
同じ趣味や興味をもつ人とは意気投合しやすい。新しい友達をつくるには、趣味のサークルや興味のある習い事、カルチャーセンターに行くなどがおすすめ。自らコミュニティを立ち上げて仲間を募る方法もある。
嫌な出来事は「 1回だけ話して忘れる」
誰かに聞いてほしい嫌な出来事は、「信頼できる友達に1回だけ、思う存分話す」のがおすすめ。ストレスが発散できるとともに、1回だけと制限することで、話しすぎて嫌な記憶が脳で強化されてしまうこともない。
【NG習慣】自分から話しかけるのが苦手で、なかなか友達ができない
相手との「共通点」を探り、笑顔で話しかけてみて。
友達をつくるには、「友達が欲しい、会話の輪に入りたい」という気持ちを、笑顔で表すことが大切です。意識的に笑顔をつくるトレーニングを鏡の前で普段から行いましょう。そのうえで、友達になりたいと思った相手との共通点を探ることが大切。同じ趣味や好きな食べ物、音楽、出身地など、一つでも共通点が見つかれば、スムーズに進められるでしょう。
※この記事は「ゆうゆう」2023年4月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のため再編集しています。
精神科医
樺沢紫苑
かばさわ・しおん●精神科医、作家。1965年、札幌生まれ。91年、札幌医科大学医学部卒業。2004年から米国シカゴのイリノイ大学精神科に3年間留学。帰国後、東京に樺沢心理 学研究所を設立。「情報発信によるメンタル疾患の予防」をビジョンとし、YouTubeやメールマガジンなどで累計80万人のフォロワーに情報を発信している。著書に『言語化の魔力 言葉にすれば「悩み」は消える』(幻冬舎)など。
かばさわ・しおん●精神科医、作家。1965年、札幌生まれ。91年、札幌医科大学医学部卒業。2004年から米国シカゴのイリノイ大学精神科に3年間留学。帰国後、東京に樺沢心理 学研究所を設立。「情報発信によるメンタル疾患の予防」をビジョンとし、YouTubeやメールマガジンなどで累計80万人のフォロワーに情報を発信している。著書に『言語化の魔力 言葉にすれば「悩み」は消える』(幻冬舎)など。
ゆうゆう 2023年04月号
人生の後半、最後の宿題ともいえる「ひとり問題」。孤独との向き合い方、ひとり時間の使い方、お金の不安、危機管理……。心配の種は尽きることがないけれど、ひとつひとつ、解決していきませんか。ひとり上手な人がやっていることは? ひとりの毎日を豊かに過ごすには? ひとり暮らしのトラブルを回避するには? 『ゆうゆう』4月号の特集「ひとりでも大丈夫!」では、ゆうゆう世代の「ひとり問題」を解決するヒントを総力取材。「ひとり」は辛いことでも侘しいことでもありません。ひとりを楽しみ上機嫌に過ごせたら、この先の人生はもっともっと楽しめるはず!
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