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大島弓子の漫画『さようなら女達』を久しぶりに読んでみたら。「心象風景の描き方に今また感動」

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Anmitu

それにしても大島弓子は心象風景を描くのが上手い。暗闇と平仮名のリズムで、樹々のざわめく風の音で、眼(まなこ)から流れる涙で……言葉ではなく、言葉以上に読み手の心に響かせるのだ。

周りを傷つけ、だけど助けられ、愛されている主人公は前に進んでいく。私が初めて本書に出合ったのは、主人公と同じ16歳。世の中の基準・ルールに抵抗する優越感と劣等感が綯い交ぜになった感情に整理ができない頃だった。主人公と自分を重ね、ハッピーエンドで終わる筋書に、自分を肯定する術を探っていたに違いない。と同時に一方で、タイトルにこめた「さよなら」に、大島先生は救いなんか描きたくないと思っていると、思ったり……。

そして、人生を経て何年か毎に読み返す。いやいや、でも「さよなら」できたことで、救われるを描こうとしたの?とも……今回、読み直しても答えは見つからなかった。

だから、しばらくしてから、またこの作品を読み直したいと思うのだ。もっと強くなりたい、優しくなりたい、と思うから。

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