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パートタイマーが知っておきたい【年収の壁】。社会保険に加入するメリットとは?

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ゆうゆう編集部

第3の壁「106万円/130万円」

第3の壁である「106万円/130万円」は社会保険料の壁です。この額を超えると健康保険・介護保険、厚生年金の保険料負担が生じます。

社会保険に加入している夫と同居している場合、年収が130万円(60歳以上、または一定の障害状態にある方は年収180万円)、かつ夫の年収の2分の1以上であれば、夫の扶養から外れることになります。

ただし、この130万円のボーダーラインは、従業員数が100人を超える会社に勤める方が一定の要件を満たすと106万円にまで下がります。さらに、この106万円の壁は2024年10月から50人を超える会社にも適用されるようになりますので、中小企業にお勤めの方は注意が必要です。

ご自身の壁が106万円か、130万円かは、表1で確認できます。これらにすべて当てはまれば106万円、1つでも当てはまらなければ130万円となります。

第4の壁「150万円」

第4の壁である「150万円」は、サラリーマンの夫が受けることのできる「配偶者控除」「配偶者特別控除」に関する壁です。これらの控除は、所得がなかったり少なかったりする配偶者をもつ世帯主の、税負担を軽くするための制度です。

妻の年収が150万円までは最高額の38万円(70歳未満)が夫の収入から控除されますが、妻の年収が150万円を超えると控除額は段階的に減り、201万6000円を超えるとなくなります(夫の年収が1095万円以下の場合)。

社会保険に加入するメリット

表2は、年収120万円(月収10万円)の方の税金と社会保険料の負担額を試算したものです。年間でおよそ22万円となり、手取りが約98万円になることがわかります。

年収を100万円未満に抑えると税金や社会保険料はかかりませんから、120万円の年収を得ても、98万円程度に抑えても、手取りは大差ありません。しかし、社会保険に加入すると、表3のとおり多くのメリットがあり、少しくらい手取りが減ってもそれを補うに十分なものです。

目先の手取りにとらわれることなく、「壁」を越え、社会保険で老後や万が一のときの備えを得て働くという選択肢があることもぜひ知っていただきたいと思います。

※受給額は67歳以下の場合。 *1級、2級に該当すると、障害基礎年金 年額99万3750円(1級)、79万5000円(2級)も、あわせて受給できる。

●法制度などは、2023年4月末現在のものです。

※この記事は「ゆうゆう」2023年7月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のため再編集しています。

監修者

社会保険労務士

北村庄吾

きたむら・しょうご●1961年生まれ。熊本県出身。社会保険労務士、行政書士、ファイナンシャル・プランナー。ブレイン社会保険労務士法人代表。年金制度に造詣が深く、テレビ出演多数。

きたむら・しょうご●1961年生まれ。熊本県出身。社会保険労務士、行政書士、ファイナンシャル・プランナー。ブレイン社会保険労務士法人代表。年金制度に造詣が深く、テレビ出演多数。

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