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【らんまん】順調すぎる流れでも、万太郎(神木隆之介)に「策士」のイメージがない理由は?

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田幸和歌子

一方、恋の病で仕事が手につかなくなる万太郎の背中を押してくれたのは、りん(安藤玉恵)やえい(成海璃子)やゆう(山谷花純)だ。それぞれ恋の経験などを話し、綺麗な感情ばかりじゃないと諭し、草花ばかりが好きな万太郎が人間のことで悩む「成長」を喜んでくれるのだ。

みんなに励まされた万太郎は白梅堂に向かう。そして、寿恵子の母・まつ(牧瀬里穂)に、自分が今すべきことに全力で真っすぐに走って迎えに来る、間に合わないときは潔く諦めると、長期計画での寿恵子へのプロポーズを宣言。

ところで、気になるのは高藤以上に、田邊の存在。

田邊は留学経験もある自分が日本で最も西洋文化に造詣が深いと信じているはずで、だからこそ万太郎の「文学」「音楽」「植物画」の比較の話に関心を抱いた。しかし、勧善懲悪でない、美しいモノだけでなく、ありのままを描く「西洋文化」は、本来「完全なモノだけが美しい」という田邊教授(要潤)の価値観と相容れないはず。この時点ですでに万太郎のほうが西洋文化の本質に近づいている可能性を考えると、今後の衝突は避けて通れないモノに見えて来る。

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