大人の心に響くと評判の、ヨシタケシンスケさんの最新作。3つの物語に描かれていることとは?
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ゆうゆう編集部
ヨシタケシンスケさんの自身初となる長編絵本『メメンとモリ』。幼い姉弟の日常を通して、生きることの葛藤、人生の機微が描かれた本作は、大人の心に深く刺さると話題になっています。
生き方や「死」について考えることが多くなって……
子どもから大人まで、世代を超えて愛されているヨシタケシンスケさんの絵本。作品の世界観をそのまま映像化したショートアニメがテレビ放送されたり、原画やスケッチ、造形作品を間近で観られる展覧会が大盛況だったりと、その人気はとどまるところを知らない。
本書は、自身初の長編絵本。また、作家デビュー10周年を迎えての作品でもある。
「10周年ということは、特に意識していないですね。これまでと同じように、今興味があることを題材に、書きたかった小さな話を1冊にまとめたら、この本になりました」
今興味があることは?
「広い意味で『生と死』でしょうか。僕自身、この3~4年で老眼になって、50歳を過ぎたら体力的にもガクッときて(笑)。もう若くないと実感したことで、生き方や死について考える時間が増えました」
タイトルの由来は、有名なラテン語の格言「メメントモリ(いつか必ず死ぬことを忘れるな)」。本の内容は、その言葉からかけ離れてはいないものの、ことさらに深い意味があるわけでもないという。
「4文字目の『ト』を平仮名にしたら、二人組の名前みたいで面白いなあと。思いつきというか、ダジャレ的な発想なんです(笑)」
人生のままならなさは作品のテーマの1つ
本書には、姉の「メメン」と弟の「モリ」の日常を描いた3つの物語が綴られている。
第1話は、大切なお皿を割ってしまって悲しむモリを、メメンが慰めるお話。「どんなものでも、いつかはこわれたりなくなったりするんだから……」に続くメメンの言葉の数々に、心がふっと軽くなる。
第2話には、感情をもった「きたないゆきだるま」が登場。「誰も悪くない。だけど、誰も、しあわせじゃない」と、雪だるまが心の内を吐露するシーンが印象的だ。
「みんな頑張っているのに、誰も幸せになれないことって、よくありますよね。その現実を変えることはできなくても、雪だるまの心情を通して『わかるわかる』『そうだよね』と共感できれば、それだけで意味がある、救われると思うんです」
最終話では、「みんなは楽しいことをしているのに、ぼくだけ損をしているみたい」と不安がるモリを諭す、メメンの語りが秀逸。モリと一緒に説得されること請け合いだ。
「わかっちゃいるけど、うまくいかないな……という思いをすくい上げて、メメンに託しました。生きていくうえでのままならなさは、この先もずっと作品のテーマの1つです」
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