50代、60代は男女ともに頻尿や尿漏れあって当たり前!その大きな要因とは?
頻尿や尿漏れの心配があると、旅行や外出先はもちろんのこと、自宅にいても不自由で不快感が続きます。なかなか人に相談しにくい排尿トラブルについて、丁寧に解説していきましょう。第1回は、頻尿・尿漏れの原因について、男女ともに見ていきます。教えていただくのは、日本泌尿器学会専門医の髙山美郷さんです。
女性は閉経によるホルモンの減少、男性は前立腺肥大が影響
頻尿、尿漏れの一番大きな原因は加齢です。加齢に伴って筋肉量は減っていくもの。尿道のしまりなどに関わる骨盤底の筋肉量も減り、尿が漏れやすくなるのです。
さらに女性の場合は閉経して女性ホルモンが減少することも一因です。女性ホルモンが減ると、外陰部の皮膚や皮下組織、筋膜などの張りがなくなって尿トラブルを感じやすいのです。
男性の場合、加齢に伴って前立腺(膀胱のすぐ下、尿道を取り巻くような形で存在しています)が肥大して尿道や膀胱を圧迫します。その状態で排尿しようとがんばりすぎると、膀胱が異常収縮したり、過活動膀胱(*尿漏れのタイプ参照)を招いたりするのです。
次のようなことも頻尿や尿漏れの原因となります。あてはまるものがないか、セルフチェックしてみましょう。
□水分の摂りすぎで、尿量が増えている
⇒1日の水分摂取量の目安は、体格によって前後するものの、夏2リットル、春・秋1.5リットル、冬1リットル程度です。
□コーヒー、紅茶、緑茶など利尿作用のあるカフェインを含む飲み物を毎日飲んでいる
⇒頻尿が気になる場合はノンカフェイン飲料に変えるとよいでしょう。
□尿量を増やす作用のある薬(利尿薬・降圧薬・経口血糖降下薬など)を服用している
⇒日常生活に不便を感じるほど頻尿や尿漏れに悩まされている場合、主治医に相談してみましょう。
病気の症状として頻尿や尿漏れが現れることもあります。たとえば高血圧や糖尿病などの内科的疾患、脳や神経系の病気、脊椎の病気、整形外科的な疾患、尿路感染、膀胱炎、前立腺炎、膀胱がん、前立腺がん、子宮筋腫など婦人科系の病気、睡眠時無呼吸症候群、間質性膀胱炎など。
「トイレに間に合わなかった」など一度尿もれを経験したために「二度と失敗したくない!」とストレスを感じて尿意を感じやすくなっている場合(心因性頻尿)もあります。