【大奥】理不尽な最期にやるせない思いになるが、青沼(村雨辰剛)にとっては多くの仲間を得られた幸せな人生だったか
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田幸和歌子
江戸時代の男女逆転の世界が描かれる、NHKドラマ10「大奥」のシーズン2が始まりました。豪華キャストからも目が離せません。シーズン1に引き続き、数々のドラマレビューを執筆するライター田幸和歌子さんに語っていただきます。
※ネタバレにご注意ください
★前回はこちら★
【大奥】源内(鈴木杏)と田沼(松下奈緒)の口吸いシーンに注目が集まる。治済(仲間由紀恵)は大奥をかき乱そうとしているのか
男女逆転の江戸パラレルワールドを描いた、よしながふみの人気漫画『大奥』を原作に据えたドラマ10『大奥Season2』の第3話が10月17日に放送された。
源内(鈴木杏)は、梅毒を患っていた。青沼(村雨辰剛)によると、今のところ治す手立てはなく、進行が遅れるのを願うばかりだという。
梅毒が悪化すると気が触れてしまう可能性があることに源内は絶望し、こう訴える。
「生きてるだけじゃダメなんだよ。バンバン旅ができて、ビンビン頭が働かなきゃ私じゃないんだよ!そんなの平賀源内じゃないんだよ!」
死にたくないと涙を溢す源内を、青沼はただ抱きしめることしかできなかった。
その後、事情を聞いた意次(松下奈緒)は、女子の蘭学の禁が解かれたという知らせを携え、源内の元を訪ねる。気が沈んでいた源内にとって、この知らせは涙が出るほど嬉しいものだった。源内は「次は自分の番だ」と、軽傷の赤面患者探しに勤しむように。
「人痘接種」と名付けられた赤面疱瘡の治療の希望者を、青沼たちは大奥内で募ることに。しかし、最悪の場合死に至る恐れもあり、得体の知れない治療への理解は思うようには得られなかった。
天明3年。江戸は大地震に見舞われ、天明の大飢饉が起こる。赤面が市中や大奥内にも忍び込むという混乱の渦中で、蘭学講義を止めるように圧力がかかる。そのとき、源内が軽症の赤面患者を連れて戻ってきた。
患者を中に入れるなんてと追い返されそうになるが、伊兵衛(岡本圭人)が自ら人痘をやってみせ、人痘の有効性を証明しようとする。
その後、伊兵衛は無事完治し、大奥内で接種の希望者が急増。さらに、治済(仲間由紀恵)が息子・竹千代の接種を受けさせ、その成功もあり、ついには松平定信(安達祐実)までもが甥っ子の接種を頼み込むように。
ようやく接種が軌道に乗ってきた頃、家治の様態が悪くなったことから、風向きが変わり始める。家治は長年お匙に毒を盛られていたことが分かり、どうして自分がそこまで恨まれなければならないのかと激昂。
それもこれも意次や青沼によくしてやったせいかと取り乱し、その後間もなく息を引き取ってしまう。
同じ頃、遂に人痘で死者が出てしまう。その上、その死者は定信の甥と判明。
このような絶望的な状況下でも、青沼らは一人でも多くの命を救うべく接種を続けるが、青沼に死罪が宣告され、他の者も大奥を追放されてしまう。