水分をとるのは寝る何時間前まで?トイレが近くなる飲み物とは?気になる頻尿に
尿漏れまではいかないけれど、自分は頻尿かもしれない、と不安に思っている人も多いようです。「トイレが近い」「夜中に何度も行きたくなる」などと気になる人は、水分のとり方をチェックしてみましょう。繰り返していた習慣が原因のひとつになっているかもしれません。日本泌尿器学会専門医の関口由紀さんに教えてもらいました。
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電車内でもできる!頻尿・尿漏れに効果的な「キュッと締めるだけ 骨盤底筋トレーニング」1日に何回トイレに行ったら、頻尿?
頻尿というのは、どのくらいの程度をいうのでしょう?
トイレに行く回数が、日中は1日4〜8回、夜間は1回以下なら正常範囲です。また、回数がこれより多くても、困っていなければ、あまり気にする必要はありません。
頻尿の原因は、過活動膀胱をはじめとしていろいろありますが、大変多いのが、水分のとりすぎによる多飲多尿です。
意外な気もしますが、最近は、脱水予防ということが盛んに言われるようになったため、必要以上に水分補給をしてトイレが近くなっているケースもしばしばみられるのです。
激しい運動をして汗をかく場合は別として、食事に含まれる水分以外に、1日2ℓ以上の水やお茶類を飲むのは水分のとりすぎです。夏場は2ℓ前後、春や秋は1.5ℓ前後を目安に飲むようにしましょう。それ以上飲むとどうしても尿の量が多くなり、頻尿になってしまいます。
自分がどのくらい水分をとり、どのくらい尿が出ているのかわからない、という人は、排尿記録をつけるという方法があります。紙コップにメモリを書いて、トイレに行くたびに尿の量をはかり、記録をするというもの。
この記録を見ると、1日に何回トイレに行くのかがわかります。また、1回ごとの排尿量を合計すれば1日の排尿量がわかります。排尿量は日々変動するので、できれば2日間記録して、1日の平均を出すとよいでしょう。
排尿量を1日1〜2ℓの間にしておくのが、多飲による頻尿解消のポイントです。
排尿量をはかるのはちょっと面倒、という人は、食事以外にどのくらい水分をとっているか、水やお茶を飲んだらそのつどメモして、合計してみてください。水分をとりすぎている人は、減らすだけでトイレの回数が減ってくるはずです。
飲み物の種類によって、トイレが近くなることも
水分をそれほど飲んでいないのにトイレが近い、という場合は、どうしたらいいのでしょう?
どんな飲み物を多くとっているか振り返ってみましょう。コーヒー、紅茶、緑茶、ウーロン茶などをたくさん飲んでいませんか? これらはカフェインが多く含まれるので、どうしてもトイレが近くなります。カフェイン入りの飲み物は利尿作用があるからです。
また、果物(とくにかんきつ類)やジュース(グレープフルーツジュースやレモンジュース)、炭酸飲料などで水分補給している場合も、頻尿になりやすいといいます。アルコールも頻尿の原因に。かんきつ系や炭酸飲料、アルコールは、膀胱を刺激する作用があるため、頻尿になりやすいといわれています。
思い当たる人は、これらの飲み物を多量にとるのはやめて、控えめにしましょう。
食べ物に注意を払うのはよいのですが、健康志向がこうじて、あるひとつの食品を多食している人に頻尿がみられることが少なくありません。その理由ははっきりしませんが、豆類や酸っぱいものの多食で頻尿になっている人がいます。
どんなに健康にプラスになる食品でも、そればかり食べすぎるのは考えもの。とくにトイレが近い人は、いろいろな食品をバランスよく食べるようにしてください。