【猫の実話】抱っこは嫌いな猫だけど、飼い主を視界に入れておきたいという、若干面倒なタイプに救われた
たくましい性格だったので、リードを着けての外散歩にも挑戦しました。実家にいっしょに帰省できればいいな、ちょっとお出かけできるといいな、と思ったのです。
外に慣れるか心配でしたが、まったく問題ありませんでした。京介は道をずんずん歩き、まわりを眺めたり、草のにおいを嗅いだりして、すぐに外を満喫するようになりました。
散歩でも京介の自立した性格が出ていて、あんまり飼い主を頼らないんです。見慣れないものにはビクッとしてフリーズしますが、においを嗅いで自分で考えて、納得しています。
もっと頼っていいのにと思う反面、知らないものがあると、「これはなんだろう?」と考えるような京介の様子がかわいくてたまりません。
自立しているとか、マイペースだとはいっても、京介がまったく私たちを意識していないわけではないようです。
実はちょっと前に私は、4日間ほど入院しました。京介が来てからそんなに離れ離れになったことはなかったので、さびしがっているかなぁ、さすがに今日は甘えてくるかなぁと思いながら自宅に帰りました。
そうしたら、なんと全然近寄ってこない! むしろ私の存在を無視するがごとく、すごく態度が冷たかったんです。これみよがしに、夫の仕事部屋にこもったりして……。
というと、「やっぱり飼い主はどうでもいい存在なのでは」と思われそうですが、そうじゃないんです。京介の様子をよく見ていると、「どうしてこんなに長い間いなかったんだ、父ちゃんの面倒をオレに押しつけて!」と憤慨している感じが伝わってきました。
思っていた様子とはだいぶ違いましたが、「あぁ、私に対して気持ちはあったんだな」と、ちょっとうれしくなりました。
もともと私は趣味も少なく、友人も多くありません。おしゃべりなタイプでもないです。独身時代は、仕事が休みの日は一度も言葉を発しないこともありました。
夫も似たようなタイプなので、夫婦でいても部屋がすごく静かです。
でも、京介がいると私はつい京介に話しかけて口数が多くなりますし、「今の京介見た? かわいかったよ」などと夫にも話しかけます。