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イライラやストレス。ココロの元気に必要な7つの栄養素とは?医師が解説

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雑誌「健康」編集部

5【ビタミンD】腸管などの粘膜を丈夫に

紫外線が皮膚に当たることで合成される栄養素がビタミンD。「冬季うつ」は、ビタミンD不足が一因です。不足は小腸粘膜の細胞間の結合を緩め、リーキーガット(※腸漏れ)の原因にもなります。

ビタミンDは、腸管や気道などの粘膜を丈夫にし、風邪やインフルエンザの予防に。また、遺伝子の働きを調節し、免疫向上、糖尿病予防、発がんの抑制につながります。ビタミンDといえば鮭。抗酸化力が強いアスタキサンチンも豊富です。

※リッキーガット(腸漏れ)
小腸粘膜の上皮細胞をつなぐ密着結合が弱く、隙間が広くなり、バリア機能が低下した状態の腸。有害な物質が体内に漏れ出して、炎症やアレルギーの原因に。

6【亜鉛】体内酵素を活性化!

マグネシウムの次に体内の酵素を活性化させるパワーをもつミネラル、それが亜鉛。「細胞分裂」に欠かせない修復ミネラルです。

ところで「味蕾」を知っていますか? 舌の表面の味を感じる部分です。ここは細胞の入れ替わりが激しいので、亜鉛不足で細胞分裂が低下すると味蕾が減り、味覚異常を引き起こします。また、記憶の中枢である海馬は、亜鉛濃度が高い器官です。そのため、認知症の初期には、味覚や嗅覚の障害を伴うことがあります。

亜鉛はストレスやアルコール、高血糖で不足しやすくなります。血糖を下げるインスリンの構造を維持するのにも亜鉛が必須で、血糖調節障害の影響が出てくる可能性があります。

7【食物繊維】腸内環境を整えてくれる

食物繊維は、「第6の栄養素」と呼ばれ、腸を健康に保つためにも重要な栄養素です。

食物繊維は善玉菌のエサになったり、腸内の有害物質を排出したり、腸のぜん動を促して便秘を解消したりする大事な存在です。糖の吸収を抑え、血糖の急上昇を緩和することによる精神安定作用も期待できます。

大腸のバリア機能の強化、糖尿病や肥満や発がんの予防にも効果的です。また、食欲を抑えたり満腹感を持続させたりするホルモンの分泌を促します。

監修者

栄養精神科医

奥平智之

おくだいら・ともゆき
日本栄養精神医学研究会会長・医療法人山口病院副院長(埼玉県)
栄養の問題に起因するうつ状態を「栄養型うつ」と命名し、「栄養精神医学」の大切さを啓発。血液検査結果の解析などを活用し、個々の体質や病態に合わせ、食事や栄養、漢方を取り入れた診療を実践している。漢方専門医、認知症専門医、特別支援学校 校医、日本うつ病学会評議員、日本スポーツ医学会 理事、日本未病学会 評議員など。著書に『マンガでわかる 食べてうつぬけ 鉄欠乏女子救出ガイド』(主婦の友社)ほか多数。

おくだいら・ともゆき
日本栄養精神医学研究会会長・医療法人山口病院副院長(埼玉県)
栄養の問題に起因するうつ状態を「栄養型うつ」と命名し、「栄養精神医学」の大切さを啓発。血液検査結果の解析などを活用し、個々の体質や病態に合わせ、食事や栄養、漢方を取り入れた診療を実践している。漢方専門医、認知症専門医、特別支援学校 校医、日本うつ病学会評議員、日本スポーツ医学会 理事、日本未病学会 評議員など。著書に『マンガでわかる 食べてうつぬけ 鉄欠乏女子救出ガイド』(主婦の友社)ほか多数。

※この記事は「健康」2024年冬号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のため再編集しています。

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