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【クイズ】60代後半で脚光を浴び「白髪というより淡い金髪、着物がガウンがわり…」このピアニストは誰?【中野翠のCINEMAコラム】

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中野翠

ユニークな視点と粋な文章でまとめる名コラムニスト・中野翠さんが、おすすめ映画について語ります。この素敵なマダムは誰…?

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ゆうゆう世代なら知っている希代のピアニスト

『ゆうゆう』読者だったら、フジコ・ヘミングの名を知っている人も多いだろう。日本とスウェーデンのハーフのピアニスト。1931年、ベルリンで生まれ、世間から注目されたのは、なんと60代後半になってから。今年の4月21日に亡くなった。92歳––––。

父はスウェーデン人の画家にして建築家でもあった。母は日本人のピアニストだった。フジコは5歳の頃からピアノに親しみ、東京の芸大を卒業して、ドイツ留学。その実力は超有名な音楽家のレナード・バーンスタインやブルーノ・マデルナにも認められたのだが……何という不運、風邪をこじらせて右耳の聴力を失ってしまったのだった!

それでもフジコは絶望しなかった。治療を受けつつ、ヨーロッパ各地で、そして北米や南米でもワールドツアーを行うという不屈の信念。そして、音楽への愛……。

当然のごとく、場面のところどころにフジコ・ヘミングのピアノによるショパンの「ノクターン」をはじめ、クラシック音楽の数々が流れる。その中で日本の「荒城の月」が流れたのには胸が熱くなった。やっぱりフジコ・ヘミングには、日本とヨーロッパの血が美しく誇らしく通っているんだなあ……というように思い、フッと涙目に……。

私はクラシック音楽は敬遠ぎみだったのだけれど、この映画を観て(聴いて)、にわかにクラシックを聴きたくなった。

フジコ・ヘミングのファッションにも注目。髪はシラガと言うより淡い金髪。古いキモノやハオリを部屋でのガウン代わりに……。私もそういうスタイルが好き。さらに犬好きらしいところにも共感。

実を言うと……子どもの頃、わが家には古いオルガンがあったのだけれど、私はあんまり興味がなく、ヘタだった……。

そうそう、話が後になってしまったが、この映画の監督・構成・編集は小松莊一良という人。アメリカ生まれで、広島県の呉市に育ち、大阪芸術大学映像学科で学んだという。

『恋するピアニスト フジコ・ヘミング』

監督・構成・編集/小松莊一良 
出演・音楽/フジコ・ヘミング 
10月18日より新宿ピカデリー 他 全国公開(日本 配給/東映ビデオ)

© 2024「恋するピアニスト フジコ・ヘミング」フィルムパートナーズ

※この記事は「ゆうゆう」2024年11月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のため再編集しています。

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