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74歳のドラマスタイリスト「自分のために着る服が人生をも変えるのです」【西ゆり子さん】

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ゆうゆう編集部

装いは自分らしさを語り、日常を輝かせる大きな力に。ドラマスタイリスト・西ゆり子さんが語る、好きを大切にするおしゃれと「着る力」の磨き方とは? ゆうゆうフレンド3人も西さんのレッスンを体験しました。

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Profile
西 ゆり子さん ドラマスタイリスト

にし・ゆりこ●1950年生まれ。
スタイリストとして、ドラマ「ギフト」「セカンドバージン」「七人の秘書」などおよそ200作品に携わる。
2019年度「日本女性放送者懇談会50周年特別賞」受賞。
「着る学校」校長。
著書に『Life Closet』(扶桑社)など。

「着る力」は自分らしいおしゃれの哲学です

「便利で無難な服は、敵よ」

そうほほ笑むのは、50年にわたって数々のドラマや映画の衣装を手がけてきた、ドラマスタイリスト・西ゆり子さん。74歳の今、自ら校長を務める「着る学校」で、幅広い年代層の女性たちに向けて装うことの真の意味を伝え続けている。

「服を着ることは、自分を表現すること。だから、その日の気分に正直になって、自分の好きに素直に服を選んでほしいのです」

その言葉からは、長年ドラマや映画といった映像の世界で約200本もの作品を手がけ、そのスタイリングを通して登場人物の心を見つめてきた深い眼差しが感じられる。そんな西さんが、一般の方々を対象にスタイリングを教える「着る学校」を始めたのは、70歳を過ぎてから。それまでは、俳優やモデルなどのプロでないと、素敵に服を着こなすのは難しいと思っていたそう。

「でも、実際に教えてみたら、みるみる皆さんの表情やその先の人生までも明るくいい方向に変わっていく。それが嬉しくて。俳優が作品の中で役を生きるように、生徒さんも自身の人生のヒロインになって、輝き始める。そこに、服の着方を教える意義が見えたのです。そもそも、料理教室や和装の着つけ教室はたくさんあるのに、なぜか服を着る教室だけはどこを探しても見当たらない。だったら私がきちんと基本を学んで、着こなす力を身につける場所をつくろうと思ったわけです。こうして『着る学校』をスタートさせました」

着こなし方次第で似合うに変えられる

西さんが語る「着る力」とは、ファッションの流行を追ったり、自分に似合う服を探したりすることではなく、自分が本当に着たい服を正直に選び、それを着こなす力のこと。

「好きと似合うは、必ずしも一致しません。でも、着こなし方を学べば、似合わせることができるのです」

実際「着る学校」の生徒は、「私には派手かな?」と躊躇していた服を数回のレッスン後には着こなして、自分のものにしているそう。

「最初は戸惑っても大丈夫。数回着てみると、これが私らしいという着方が必ず見つかる。こうした失敗の繰り返しと積み重ねこそが着る力につながるのです」

人目を気にして、そつがなく無難で着まわしがきく便利な服を選びがちなゆうゆう世代にとって、“今日はこれが着たい”という感情を素直に受け入れることも成長のひとつだと西さんは言う。

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