50代になったら「体重も浮き輪肉も増えました」婦人科医のアドバイス ピンチをチャンスに変える秘策とは?
さまざまな不調があらわれる50代。健康に関する疑問やお悩みに医師がアドバイスします。前回は、疲れているのに眠れないときの対処法を内科医に伺いました。今回は、体重と体型のお悩みについて、婦人科医の松村圭子先生がお答えします。50代以降が目安にしたいBMIの値とは?
「疲れているのに4時間しか眠れません」にアドバイス
50代の「疲れているのに4時間しか眠れません」内科医がアドバイス 脳を休ませる簡単な方法とは?
成城 松村クリニック院長
松村圭子
婦人科/日本産科婦人科学会専門医
1995年広島大学医学部卒業、同医学部産婦人科学教室入局。2010年成城松村クリニック開院。婦人科疾患のみならず、女性のトータルケアをサポートする。あらゆる不調に対し、西洋医学だけでなく、漢方薬やサプリメント、オゾン療法、高濃度ビタミンC点滴療法なども積極的に治療に取り入れる。講演、執筆、TV出演など幅広く活躍中。
婦人科/日本産科婦人科学会専門医
1995年広島大学医学部卒業、同医学部産婦人科学教室入局。2010年成城松村クリニック開院。婦人科疾患のみならず、女性のトータルケアをサポートする。あらゆる不調に対し、西洋医学だけでなく、漢方薬やサプリメント、オゾン療法、高濃度ビタミンC点滴療法なども積極的に治療に取り入れる。講演、執筆、TV出演など幅広く活躍中。
Q
食べる量は変わらないし、特に行動も変わらないのに、体重がどんどん増えていきました。女性ホルモンのせいでしょうか。おなかまわりの浮き輪肉も増えて、手持ちのサイズがあわなくなって困ります。
A
女性ホルモンの影響もありますが、むしろ食べる量、行動が以前と変わらないのが問題です。内臓脂肪はつきいやすいけれど、落としやすいもの。生活習慣を見直すチャンスです!
50代以降のBMIの目安は22くらい
閉経してから体重が増えるのは、確かに女性ホルモンのエストロゲンが減少することも関係しています。エストロゲンが減少すると、代謝が低下し、脂肪が蓄積しやすくなるのです。
でも、それよりも「食べる量、行動が変わらない」ことのほうが、体重増加の理由としては大きいでしょう。なぜかというと、30代、40代、50代と加齢に伴って代謝が落ちてくるからです。
体重が増える=「消費するカロリーよりも、摂取するカロリーが上回っている」という証拠。閉経後、若い頃と比べると10キロ、20キロと太ってしまったという人も、実際に少なくありません。まず自分の適性体重を知って、食べる量や運動量を見直しましょう。
適性体重の目安のひとつとなるのが、BMIです。
<BMIの出し方>
BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
日本の成人の場合、日本肥満学会が定めた基準にもとづいて、
BMI18.5未満はやせている
BMI18.5以上25未満は普通体重
BMI25以上を肥満
と診断しています。
BMI22~25ぐらいは、見た目の体型でいうと「ちょいぽちゃ」といった感じでしょうか。スタイルを気にする若い人たちは「BMI22なんて許せない!」と思うかもしれませんが、50代以降は健康的な体という意味で、これぐらいの数値を目安にするとよいと思います。
体重が増えたからといって、厳しい食事制限をする必要はありません。厳しい食事制限はストレスになるので、いったんは減量できてもリバウンドしてしまう可能性があります。「若い頃と同じように食べる」のではなく、全体的に少しずつ量を減らすようにしてみましょう。
日常生活で体を動かすことを意識して
あわせて、行動も変えてください。
これまで運動嫌いだった人がいきなり運動を習慣にしようと思っても、長続きしないことが多いもの。まず、日常生活で掃除、料理などの家事をするときに、しっかり体を動かすことを意識してみましょう。
興味があるのであれば、テニスやゴルフ、卓球、ボウリング、水泳など、何でも試しにやってみてください。実は私も一念発起してスポーツジムに行ってみたら、ハマってしまって、今は週2回ほど通っています。やりたくないのであれば無理して始める必要はありませんが、もし気になることがあるなら、何でもトライしてみて! やってみて合わないと感じたら、やめればいいのです。
新しいこと(運動)に挑戦してみて、もしそれが楽しければもうけもの! 楽しいことをしていればストレスも発散できるし、体重が少しでも減れば、「もうちょっとがんばってみようかな」とモチベーションも上がってきますよ。