「当時は許されませんでした」81歳の現役女医が切り開いた、育児と仕事を両立する術とは?
まずは一人の味方を作って周りを巻き込む
男性社会の医学界でしたが、必死で頑張っていると、正当に評価してくださり、応援してくださる方が現れます。私も東京大学第二内科に所属していた当時は、研究室の長であった坂本二哉先生が奥様ともども陰になり日向になり助けてくださったおかげで、のびのびと働くことができました。
子どもが水疱瘡になり、保育園に預けられず困っていたとき、職場に連れていって遊ばせることができたのも、坂本先生の口添えがあったからにほかなりません。
また、地方で行われる泊まりがけの学会にも、子どもが小学生になるまで連れていくことができました。坂本先生は奥様ご同伴でその学会に出向かれており、学会中、奥様が子どもの面倒を見てくださったこともありました。子どもを職場に連れていったり、子連れで学会に出向いたりすることなど、当時は許される時代ではありませんでした。坂本先生と奥様には本当に助けていただき、感謝しかありません。
育児と仕事の間でいっぱいいっぱいになり、ストレスフルな状態になったことも数知れずありますが、そのようなときに自分を俯瞰して見てみると、ストレスの元になっていることは、自分を取り巻く事象や人のうちのほんの一部であることがわかります。
周りを見渡すと、よくしてくれる人や協力してくれる人が必ずいるはず。まずは一人の味方を作りましょう。
子どもが成長し、だんだん手が離れるようになると、さらに仕事に集中して取り組めるようになりました。
わき目もふらずがむしゃらに仕事をしていると、次第に成果を出せるようになり、手ごたえを感じるとともに周りからの評価も高まっていき、さまざまなタイミングで取り立ててもらえるようになりました。
口だけでなく、行動を伴ってこそ周りを巻き込むことができ、少しずつ評価され、 協力してくださる方々がふえていったように感じています。結局のところどんな組織 でも、上司に恵まれないと職場でじゅうぶんに活躍することはできないと思います。
※この記事は『81歳、現役女医の転ばぬ先の知恵』天野惠子著(世界文化社)の内容をWEB掲載のため再編集しています。
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