「バブル女子定年を迎える。60代から学ぶお金の基本」
退職金から100万円が一気に消えた!税金保険料恐るべし。マネリテゼロの定年女子が震撼した事実
本記事は、バブル期に入社した会社を60歳で定年退職したばかりの女性が、今までなおざりにしてきたお金の問題あれこれに直面し、右往左往しながらファイナンシャルプランナーの小沢美奈子先生の力を借りて老後のお金問題を解決していく連載である。第1回は、税金年金保険料の支払いで退職金が消えていく〜震える話から。
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定年退職日の朝、仰ぎ見た空は清々しいものであった。
夕方には同僚に拍手と花束で会社を送り出されて私は晴れて自由の身となった。
バブル期に新卒で入社してから40年近くたち、人並みに紆余曲折あり、何度も「辞めたらあっ」と心で啖呵を切ることもあった。
が、55歳を過ぎると定年という山頂まで九合目まで来た感がある。
あともう少し頑張れば、定年退職金をいただける。豪華客船で世界一周はムリでも、ビジネスクラスで海外に行けるくらいの贅沢ができる、住宅ローンも完済してスッキリできるじゃないか。それを目標に定年まで何とか会社員を頑張ろうと心に決め、粛々と働き続け、ようやく「定年」という山頂にたどりついたのであった。やれやれ。あとは退職金が翌月末に入金されるのを待つばかり。と、そんなお気楽な気持ちは、2カ月足らずでふっとんでしまう。
2週間以内に健康保険の継続手続き!
退職日の翌日、まずは加入していた健康保険に継続加入するため、健保の事務所に手続きに行く。これ2週間以内にやらないと継続できないのよ。そこで提示された月額保険料は42,000円。高っ。毎月の給与明細に保険料額は書いてあるのだが、正直見たことが無かったのでふつーに驚く。驚いたまま、2カ月分の保険料84,000円を支払う。
学生時代に年金未加入期間が!
次は、年金事務所だ。通常60歳で年金支払いは完了しているが、私は20代の学生時代に2年程度の未加入期間がある。当時、学生の加入は義務ではなかったためであるが、この期間分をこれから払わないと、満額の年金はもらえないのである。
そこで私は、国民年金の任意加入制度を利用して未払い分の国民年金保険料を支払うことにした。
これが月額17,380円×2年分で、417,120円。
2年分前納すると割引されるので、実際の支払額は413,720円であった。
さらに住民税の通知が!
さらに定年月の翌月には自治体から住民税の支払い通知が来る。月額49,000円。
これを半年分前納することにし、294,000円支払う。
今どきはPayPayで支払いが可能なため、30万円という前代未聞の額をどきどきしながらアプリにチャージして支払うことに。ペイペイ!という明るい電子音が妙にむなしく響く。
そうこうするうちに最初に行った健保から封書が届き、健康保険料をさらに6カ月分支払えとある。これが252,000円。
よって退職後約1カ月間に支払った税金と保険料の合計額は1,043,720円!
退職金は、入金と間をおかずに100万円が溶けて行ったのである。
ちょっとちょっと。このままでは退職金がどんどん消えていってしまうのでは?
ここで初めて私は危機感に駆られる。自慢ではないが財テクの類はまったくしておらず。退職金は銀行の普通預金にまるっと入金されたままだ。さすがに、これではいかんのではないか。