ヒロインが完全に不在となったのは朝ドラ史上初か!?スピンオフ的展開が続く【おむすび】
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田幸和歌子
1日の楽しみは、朝ドラから! 数々のドラマコラム執筆を手がけている、エンタメライター田幸和歌子さんに、NHK連続テレビ小説、通称朝ドラの楽しみ方を毎週、語っていただきます。平成青春グラフィティ「おむすび」で、より深く、朝ドラの世界へ!
※ネタバレにご注意ください
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2つの震災を「結ぶ」形になった【おむすび】 残念でたまらないと感じた描写と期待したいことなんと、ヒロイン結がほぼ不在に!
「結には育児と勉強に専念してもらい、しばらくここからは米田家の日常を見てみましょう」
そんなリリー・フランキーのナレーションとともに、NHK連続テレビ小説『おむすび』の、第16週「笑え、ギャルズ」は、ほぼ不在、本編そのものがスピンオフ状態のようになり数話ぶんはオープニングのクレジットからも橋本の名前は消えるという異例の展開に突入した。
60年を超える長い朝ドラの歴史の中で、ヒロインが完全に不在となったことはあっただろうか。藤山直美主演の『芋たこなんきん』(2006-07年)は、藤山こそ出演しないものの、ヒロインの過去編として若手女優がヒロインを演じ、ヒロインの姿が作品から消えることはなかった。また、戸田恵梨香主演の『スカーレット』(2019-20年)も、新作にとりかかるという期間、一時戸田が不在だったが、回想シーンなどを挟み込むなどした構成で、テロップから名前が消えることはなかったはずだ。
結不在の展開には、橋本のスケジュールをはじめとしたさまざまな事情や、制作サイドによれば「ねらい」もあるとのことだ。もちろんそれならそれでいい。朝ドラとはこうでなければならないというものではなく、新しい形で朝ドラを見せてくれるのであれば、それはとても楽しみなチャレンジだ。とはいえ、スピンオフというものは、サブキャラたちが魅力的であるからこそ本編では見られない顔を見せてくれたりすることで作品に新たな魅力が加わったり世界観の広がりにつながるものではないだろうか。
しかし、この『おむすび』は、登場人物たちの転機や過去、2つの大震災などこれまでいろいろなことが起こっているはずなのに、ここから掘り下げたものを見てみたいと思ったことどれもがあっさりと、いつの間にか解決していたり、ナレーションでスキップされていたりして、それぞれのキャラクターになかなか愛着を持つ時間を持たせてくれない気がしてならない。
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