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【ガーデニング】寒冷地での冬越しや剪定、どうする? 初心者のバラ育てQ&A

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吉原美奈子

【ガーデニング】寒冷地での冬越しや剪定、どうする? 初心者のバラ育てQ&A

バラ咲く軽井沢レイクガーデンはため息がでるほど美しい。寒冷地や冷涼地では冬越しに気をつかう必要がありますが、咲き揃う初夏は見事です。(筆者撮影)

一般にバラ栽培のノウハウは関東地方以西の太平洋側を基準としています。しかし南北に長い日本列島のこと、標準的な栽培ではうまくいかない地域もあるでしょう。今回は寒冷地での冬越しについて考えます。

▼前回はこちら▼

【ガーデニング】バラの休眠期のお手入れは?冬ならではの病害虫予防も
【ガーデニング】寒冷地での冬越しや剪定、どうする? 初心者のバラ育てQ&A(画像2)

イングリッシュローズの名花‘ジェーン オースチン’。アプリコット色の浅いカップが開くと花弁を絡めたようなロゼット咲きになります。強いティーの香り。(筆者撮影)

Q 寒冷地とは雪国のことですか?

A ひと口に寒冷地といってもその環境は異なります。
寒冷地とは東北地方の山間部や北部、北海道全域を指しますが、必ずしも積雪が多い地方とは限りません。

また、甲信越地方の長野、新潟の北部なども気温が低く、寒冷地と同様のバラ栽培が適している地域もあります。
那須や軽井沢などの高原、また西日本でも標高の高い地域は標準地の関東よりずっと気温が低く、こうした地方は冷涼地と呼ばれることもあります。

関東以西では、2月は剪定やつるバラの誘引の季節ですが、寒冷地や冷涼地では冬作業はパスして、バラが無事に春を迎えられるための冬越しを第一に考えてやることが大切です。

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イングリッシュローズの‘セプタード アイル’。こちらも初期の品種でなつかしく思う方も多いのでは。樹高は直立性でよく伸びます。ミルラの強香。(筆者撮影)

Q 積雪地での冬越しはどうすればいいですか?

A 意外かもしれませんが、雪は植物を寒風から保護する役割も果たします。
休眠中のバラが、湿度が保たれた雪の中でじっと春を待つイメージでしょうか。

雪の中ではバラが枯れることはあまりありません。
とはいえ、移動できる鉢植えバラは風が吹きつけない明るい軒下などに移動するのがよいでしょう。

積雪地で注意したいのは積もった雪でバラの枝が折れてしまうことです。
それを防ぐためにはバラの上部をざっと刈り込んで樹高を低く整え、株の周囲に5~6本の太めの支柱を深くしっかりと立てます。

ガーデンセンターなどで売られている寒冷紗支柱の周りや上部に巻き、株を包んだらひもで結わえます。
積雪で支柱が倒れたら、すぐにしっかりと立て直して再度、寒冷紗を巻きつけてください。

つるバラはアーチなどの構造物に枝をしっかりと巻き付けておきます。
構造物そのものが雪で倒れないように点検しておくことも大切です。

【ガーデニング】寒冷地での冬越しや剪定、どうする? 初心者のバラ育てQ&A(画像4)

那須高原にあるコピスガーデン。木々の深い緑、石塀や石畳にバラとユリが色を添えています。やはり冷涼地にバラはお似合いです。(筆者撮影)

鉢上げとは、タネまきやさし木で育った小さな苗を、根がしっかりしてきた段階でポットや鉢に移して育てる作業です。

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寒冷紗とは、綿や化学繊維でできた目の粗い布で、植物を日差しや霜、害虫から守るために使います。目の粗さや色の違いで、遮光率が変わります。

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寒冷地とは、平均気温が低く、冬季に雪や霜が多く降る地域を指し、園芸においては栽培可能な植物が限られる環境です。北海道や本州内陸部などが該当し、霜害や冬越しの難しさが課題になります。寒冷地では耐寒性の高い宿根草や球根植物が重宝され、逆に熱帯性植物は室内での越冬が必要です。栽培カレンダーも地域ごとに調整が必要で、気候に合った植物選びがガーデニング成功の鍵となります。

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培養土とは、植物を育てるために使う土のことです。数種類の土がブレンドされた市販の培養土は、通気性、保水性、排水性、養分のバランスがよく、初心者でも失敗なく植物を育てられます。植物の種類(花、野菜、多肉植物など)ごとに専用の培養土も市販されています。

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冬越しとは、寒さに弱い植物を冬の寒さや霜から守って生き延びさせるための管理方法です。屋外に置いている鉢植えを室内に取り込んだり、花壇の土の表面にワラや落ち葉などを敷き詰めたりします。

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誘引とは、植物の枝やつるを支柱やフェンスに沿って結びつけ、形を整えたり、日当たりをよくしたりする作業です。生長に合わせて、ひもなどでやさしく固定します。見た目を美しくするだけでなく、花つきや収穫量にも影響します。

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樹高とは、地面から樹木の最も高い部分までの高さを指す言葉で、庭木やシンボルツリーを選ぶ際の重要な目安となります。植物の種類や品種によって最終的な樹高には大きな差があり、適切な樹高を見極めて植栽することで、住宅や周囲の景観と調和したガーデニングが実現できます。また、生長のスピードや剪定のしやすさにも関わるため、メンテナンスの観点からも考慮すべきポイントです。

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株元とは、植物の茎が地面と接するあたり、根元の部分を指す言葉で、水やりやマルチング、病害虫の発生チェックなど園芸作業の上で注目すべき場所です。特に多年草や樹木では、株元の通気性や湿度が健康維持に大きく関係し、落ち葉や腐葉土のたまり過ぎによって蒸れたり、カビが発生するリスクもあるため注意が必要です。冬越しや剪定後の管理でもポイントになる場所です。

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支柱とは、植物が倒れたり茎が曲がったりするのを防ぐために立てる棒状の補助具。特に生長とともに高さが出る植物や、実が重くなる果菜類、つる性植物などに欠かせない資材です。ガーデニングでは、支柱の材質や形状によって景観にも影響を与えるため、景観に馴染む自然素材のものや色つきのものを選ぶことで、植物の生長を支えつつ庭の美しさとの両立を図ることができます。

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品種とは、ある植物の中で、花の色や形、実の大きさなどの性質が、明らかに他の植物と異なる栽培植物のことです。園芸品種や栽培品種の略称です。

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剪定とは、植物の不要な枝を切り取る作業のことです。形を整えたり、風通しをよくしたり、枝分かれを促したりする目的で行われます。剪定を行う目的に合った正しい時期に行うことが大事です。

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休眠とは、植物が生長を一時的に停止して、寒さや乾燥などの不利な環境から身を守る生理状態のことを指します。球根や落葉樹などでは、冬の寒さに備えて活動を停止し、気温が上がると再び芽吹きます。休眠中の植物は水や肥料をそれほど必要としないため、過湿や過剰施肥を避けて管理することが大切です。休眠の有無や期間を知ることは、植え替えや剪定の適期を見極めるうえでも重要です。

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