【原田知世さん】「一生やらないって思っていました」それでも50歳から始めたスポーツとは?
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ゆうゆう編集部
デビューから40年以上にわたり、多くの人を魅了している原田知世さん。最新作『35年目のラブレター』では、文字の読み書きができない夫を長年支え続ける妻役を好演しています。作品について語る原田さんの言葉にはこれから先の人生をより豊かに生きるためのヒントもいっぱいです。
PROFILE
原田知世さん 女優、歌手
はらだ・ともよ⚫1967年、長崎県生まれ。
83年、映画『時をかける少女』でスクリーンデビュー。以降は多数の映画やドラマに出演する他、ドキュメンタリー番組のナレーションを担当するなど幅広く活躍。
デビュー当時から歌手としても活動し、90年代以降はさまざまなアーティストとのコラボレーションが話題に。
近年の出演作に映画『あなたの番です 劇場版』、ドラマ「半分、青い。」など。
この人がいるから頑張れる、そんなパートナーがいるって、幸せなことですよね
みずみずしさと透明感に満ちた佇まい。年齢を重ねても、原田知世さんの魅力は色褪せない。1983年に映画『時をかける少女』でデビューして以来、第一線で活躍を続けてきた。
そんな原田さんが新たに挑んだのが、映画『35年目のラブレター』。貧しい家に生まれ、読み書きができないまま大人になった主人公の男性が、最愛の妻に感謝のラブレターを書きたいと、65歳を超えてから夜間中学へ通い始める……という物語。
「2人が出会って、愛を育んで、家族になって。最初に脚本を読んだとき、その巡り合わせは奇跡のようだと思いましたし、愛の尊さを教えてもらった気がしました。でも決してドラマチックに仕上げているわけではなく、日常の積み重ねの中でそこにたどり着いた夫婦の話。だから私自身、この作品を観たいなと純粋に思いました」
原田さんが演じるのは、読み書きができない夫に寄り添い、支え続ける妻・皎子(きょうこ)。
「皎子さんは夫に対して、ある意味、母のようでもある。そういう母性をすごく感じました。皎子さんには母親代わりに支えてきてくれた年の離れた姉がいるのですが、そんな姉を残してお嫁に行っていいんだろうかと悩むような真面目さ、誠実さもあります。私にも姉がいるので、姉に対しての感謝の思いなど、皎子さんと重なるところがありました。もちろん姉だけでなく両親もそうですが、自分の幸せを願ってくれる人がいる、自分ひとりだけで生きてきたわけじゃないということを、この役を演じて改めて感じました」
皎子の夫であり、物語の主人公でもある保を演じるのは笑福亭鶴瓶さん。
「鶴瓶さんは現場でも自然体で、役柄をあまりつくり込まず、お芝居にすっと入られる。だから私もあまり考えずに、そっと鶴瓶さんの隣にいました」
どんなときも明るく一生懸命な保と、「ありがとうさん」とさりげなく感謝を伝える皎子。そんな2人には似ているところがあると感じたという。
「2人とも自分のことをおいて相手に愛を注げる人。寄りかかるだけの関係ではなく、お互いが支え合うから力が何倍にもなるのでしょうね。『この人がいるから頑張れる』というパートナーがいるって、お金では買えない幸せだと思います」
人生をともに歩む人を大事にしたいと思いながらも、忙しい日々の中で忘れてしまったり、言葉にして伝えることを後回しにしてしまったり。そんな人にこそぜひ観てほしい作品だ。
「これから先、どれくらいの時間を一緒に過ごせるのかと考えたら、一瞬一瞬が大切だと思えるはず。だから『いつか言おう』ではなく、今、言葉にして伝えることが大事だと思います。馴れ合いになってしまっていても、伝えることでお互いへの思いや関係性が変わるのではないでしょうか」