教えて! 捨てられない写真、手紙、着物…思い出の品をどう生かせばよい?【片付けのプロ近藤典子さん】が伝授
身軽になるには「捨てる」という高いハードルが。それを無理なく飛び越えられ、「すっきり」を実現する近藤メソッド。今あるものを生かして部屋を整え、素敵に飾る、アイデアの数々をご覧ください。
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>>【近藤典子さん流】思い出の品を死蔵品にしないための飾り方アイデアとは?
教えてくれたのは
近藤典子さん
住まい方アドバイザー
こんどう・のりこ●1957年生まれ。
整理収納の先駆者として35年以上、人々の暮らしに関する悩みを解決。
その経験から生み出された提案が好評。
企業との商品開発、住宅の収納・間取りプロデュースなどコラボ実績多数。
昨年末からYouTube「住まい方アドバイザー 近藤典子の会社」を開始。
教わったのは
星野たか子さん ゆうゆうフレンド
2025年ゆうゆうフレンドに。2人の子を育てながら教師として定年まで勤める。
現在横浜市内のマンションで夫と2人暮らし。
「近藤先生に直接教わるなんて貴重な経験。インテリアに興味があるので飾り方を学びたい」
【近藤流メソッド】思い出の飾り方アイデア
捨てられないものの筆頭が、思い出の品。しまったままでは死蔵品に。思い出という字は「思い」を「出す」と書く。大切なものだからこそ、いつも見えるところに飾りましょう。
手紙、写真は厳選して落ち着く場所に飾り、心を潤す
今は亡き両親からの手紙、海外に渡った親友からのはがき……思い出の品の中でも直筆の手紙類は最も捨てがたい。
「捨てなくていいんです。透明のアクリルスタンドなどに入れて飾りましょう。読むと励まされる、癒やされる手紙を厳選し、そのときの気分に合わせて中身を入れ替えます。寝室など落ち着く場所に置き、読みたいときに目を通す。いわば心のお守りのようなもの。飾る手紙を選ぶ際におのずと甲乙をつけるので、案外ごっそり手放せます」
着物、帯は豪華なタペストリーに。虫干しもでき、一石二鳥
しまい込んでいることに、どこか罪悪感を覚える着物。成人式の振り袖や子の七五三で着た訪問着など思い出も深い。
「染めや刺繍を施した着物や帯は芸術品なので、室内装飾として活用を。着物ハンガーに吊るして玄関や廊下に飾り家の雰囲気を格上げ。人目に触れることで、『この帯は母が……』と思い出を語るきっかけにも」
花瓶は出しっぱなしでいい。使いながら出番を待つ
花を飾った数々の思い出とともに増えていく花瓶。大きさも形もバラバラなので、しまう場所に困る。ならば、「出しっぱなしにして、容器として使いながら飾るのがおすすめ」と近藤さん。
「買い物に使う布のエコバッグをくるくるっと巻いて棒状にし、髪用の輪ゴムで留めて、花瓶に挿すのが一案。出かけるとき、エコバッグをさっと取り出せて便利です」
遺品写真の片づけアイデア
故人の大量の写真をどうするか? 近藤さんの体験談を参考に。「同居の義母を見送ったときのこと。コルクボードに義母の写真を全部貼り、お通夜に集まった親戚に『ご自由にお持ちください』と写真の形見分けをしました。みんなの子どもの頃の写真もあり、昔話に花が咲き、喜んで持ち帰ってくれました。結局1枚も残らず。もし残っても、思いは次世代につながっているので写真の役目は終了。心おきなく処分できます」
撮影/ワタナベミカ
イラスト/タナカユリ
取材・文/村瀬素子
※この記事は「ゆうゆう」2025年6月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のために再編集しています。
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