【ホジュン】理不尽なピンチが降りかかる大長編…ついに最終話へ!60〜68話[韓国ドラマ】医女イェジン再登場の真意は?
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藤岡眞澄
ジュンの母親こそ、影の主役だ
唯一、残念なことは、庶子として低い身分に産んでしまった息子ジュンの人生を案じ、支え続けてきた母が健忘(認知症)になったこと。もう、ジュンの顔さえ忘れてしまったのだ。
ジュンの幼少期を子役が演じたことを思えば、『ホジュン』全68話を通して出演したのは、母親役のコ・ドゥシムだけ。韓国では“国民の母”と呼ばれ、数多くのドラマに母親役としてキャスティングされてきた。
身分差別や貧困、戦乱、といったドラマの背景にある李氏朝鮮の社会状況を一身に背負いながら、息子の成長と将来を一瞬たりとも疑わず、応援しつづける母。言葉数は決して多くはないけれど、その眼差しと温かな心で、ジュンの背中を押す生き様こそ、『ホジュン』という長編ドラマを支える大事なバックボーンだった。
出生の秘密を問う幼い息子に「ジュンを信じているわ。立派な武将になるのよ」と抱き締めて背中をさする母(1話)、御医の職を解かれ、流刑地へと連行される息子に「ジュナ~」と叫び、追いすがる母(66話)。最初から最後まで、役を演じている、というより、母そのものになったコ・ドゥシムがいた。影の主役だ。
コ・ドゥシムは2021年の映画『輝く瞬間』で、生涯を海女として生きた70代女性を演じ、「第8回韓国映画制作家協会賞」の主演女優賞を受賞している。74歳のいまも第一線の現役だ。
そして、ジュンは患者を治療する鍼を手にしたまま、その生涯を閉じた。ジュンらしい最期の姿を妻ダヒが抱き止めた。
低い身分に産まれ落ち、そこから不屈の精神力と勤勉で正一品の御医にまで上り詰める、いわば“男の一代記”。そのプロセスに、次から次へと理不尽なピンチが降りかかり、それをギリギリセーフで乗り越えていくから、全68話の長編も飽きさせない。これだけのピンチの手数を繰り出したチェ・ワンギュ脚本の力技が素晴らしい。
だからこそ、イェジン再登場の真意を聞いてみたいと思わせるラストシーン。ドラマを振り返り、考えを深めさせることが脚本の目的なのだとしたら、脱帽だ。
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