韓国ドラマ【ホジュン】ダヒ(パク・ウンビン)との神回から、“寸止め”3回の緊迫シーンまで見どころ満載!38〜47話レビュー
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藤岡眞澄
テレビ東京で放送中(月〜金 8時15分 全68話)の「ホジュン〜伝説の心医〜」は、2013年に韓国MBCで放送された歴史エンタメドラマ。朝鮮王朝時代に実在した名医の波乱万丈な生涯を描きます。これでもかという困難を乗り越えていくホ・ジュン。今回は、38〜47話のレビューをお届けします。(U-NEXT、FOD、Amazon Prime Video では全135話で配信中)
※ネタバレを含みます
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ドラマの起承転結で言えば、38~47話は「転」。師の教えに従い、貴賤問わず無欲で患者に尽くす医者としての評価が高まるホ・ジュン(キム・ジュヒョク)に怖れや反感を抱く人々の心が動かされていく。対照的に、順調に出世の階段を上っていたユ・ドジ(ナムグン・ミン)はその度を越した功名心が仇となり、転げ落ちていく。
1つ目の「転」は、王の側室・恭嬪の兄の顔面麻痺。侍医に特進したドジが治療を任されるが、病状は改善しない。そのとき、恵民署で患者の顔面麻痺を、実質3日で治したジュンの噂を聞きつけた大監が、治療をジュンに任せる。
治療を拒むわがままな恭嬪兄が、実は反胃(胃がん)であることを見抜いたジュンは、一刻の猶予もない反胃の治療を優先した結果、王と交わした「5日で治す」という約束の刻限に間に合わなくなる。
刻々と迫る“その時”にザワつく人々が、揃って太陽を見上げるのは、時計のない時代ならでは。緊迫のリアリティが実感できる演出だ。
そして、王の「宮中に戯言なし」の言葉に従い、ジュンは押し切りに手首を差し出すことになる。治療に必要な手をザックリ斬り落とすという残酷な刑……。怖すぎて思わず両手で目を覆う。
だが、この刑の執行を止めに入る人物が現れる。ジュンを慕う医女イェジン(パク・ジニ)、恵民署でジュンの技量を知り尽くす儒医、そして、3人目は「患者が治った」と駆け込んできた恭嬪の内官。「もしかして斬っちゃった?」と思わせるギリギリのタイミングでの3度の寸止めは、『ホジュン』全68話中、最も手に汗握るシーンだ。寸止めは強し!
そして、ジュンが反胃の治療法をウィテの体を解剖することで身に着けた、と知った御医イェス(チェ・ジョンファン)は、「ウィテは国一番の名医」とつぶやく。これこそ、“九鍼の戯”で負けたウィテに言わずのままだった、ラスト1回の屈服宣言。だが、イェスの表情は清々しかった。7話の伏線回収だ。