職場や地域の「人間関係」で悩みがちな人へ。精神科医Tomy先生が教える疲れない生き方とは?
家事や仕事、介護や子どもの心配……。体力は落ちるのに悩みは増えるゆうゆう世代。全部を頑張ろうとして疲れがたまっていませんか。その頑張り、本当に必要でしょうか? 完璧でなく、ほどほどでいいのでは? 「ほどほど力」を提唱する精神科医のTomy先生に、読者の「人間関係」に関するお悩みに答えていただきました。
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お話を伺ったのは
精神科医 Tomy先生
トミー●1978年生まれ。精神保健指定医、日本精神神経学会専門医。
フォロワー数39万人突破のX(旧Twitter)が人気で、テレビ・ラジオなどマスコミ出演多数。
『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』に始まる「1秒シリーズ」(ダイヤモンド社)は大ベストセラーに。
他に『精神科医Tomyの自分を大切にする習慣』(フォレスト出版)など著書多数。
Tomy先生教えて!こんなときこそ「ほどほど力」の使い方ヒント【人間関係】
Q 人の頼みを断れません。町内会のお祭りでも、雑用や会場係を私がするのは当たり前。感謝もされますが、疲れてしまい、自分は何をやっているんだろうとモヤモヤします。(T.H.さん 62歳)
A 責任感の強い人ほど場の空気を読んで雑事を引き受け、限界まで頑張ってしまいがち。引き受けないのがいちばんですが、断るのも難しいもの。そんなときは「いったんお預かり作戦」がおすすめです。即答せず、「今ちょっと立て込んでいるので、できるかどうか確認して明日お返事します」と時間を稼ぎましょう。この段階で相手には「もしかしたらダメかも」と覚悟ができるので、後日、「やっぱり難しい」と断りやすくなります。引き受けるかどうかは、あなたがやりたいかやりたくないかで考えて。あくまで自分軸でいきましょう。
Q 職場で急に機嫌が悪くなる人がいます。振り回されたくないと思いつつ、その人の機嫌が直るまで刺激しないようにと神経を使い、ぐったり疲れてしまいます。(T.Y.さん 56歳)
A 機嫌の悪い人からはとにかく離れましょう。物理的に離れられればよいのですが、そうでなくても、気持ちだけでも少し離れたところに置くようにします。機嫌が悪くなったら、「また始まったな」と思えばいい。それ以上の感情は何ももたないようにします。顔色をうかがって機嫌をとったり、職場の雰囲気を好転させようとあなたが努力したりする必要もありません。何かしなきゃという頑張り癖は封印し、あなたはあなたで淡々と仕事を続けましょう。時間がたって機嫌が直ったら、また普通に戻ればいいのです。
Q 編み物サークルに誘われ、私を仲間に入れようと講師が作品をくれたりします。 編み物にあまり興味がなく気が進まないけれど、一人でいるのも寂しいのでつき合っています。(K.S.さん 78歳)
A 編み物には興味がなくてもその仲間に会うだけで嬉しいなど、自分が楽しめればいいのですが、気が進まないのであればつき合う必要はないでしょう。自分らしさを犠牲にして相手に合わせていても、孤独感は埋められないと思います。それよりも、自分が本当に好きなことを見つけ、そこで仲間を探すほうがこの先の人生がもっと充実するはず。これは友達や夫婦関係でもいえることですが、自分が自分らしくいられるのが人間関係の基本です。自分の都合に合わせることばかり要求する人とは距離を置いて正解です。
精神科医Tomyのほどほど力 全力投球は、もう卒業よ
精神科医 Tomy著 だいわ文庫
全力で頑張り続けることに疲れてしまった人に、完璧を求めず自分らしく生きるための「ほどほど力」の大切さを教えてくれる一冊。日常で実践できる具体的なヒントも多く、読むうちに心の余裕が生まれ、毎日の生活がもっと楽になる。
※詳細は下のボタンから
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取材・文/志村美史子
※この記事は「ゆうゆう」2025年9月号(主婦の友社)の記事を、WEB掲載のために再編集したものです。
