私らしく生きる 50代からの大人世代へ

人気記事ランキング 連載・特集

「手放すことで心は軽くなる。本当に大切なもの以外はなくていい」精神科医Tomyさんがアドバイス

公開日

更新日

ゆうゆう編集部

年齢を重ねるごとにラクに生きられるようになればと願うものの、介護、老後のお金、人間関係、子どもの心配など悩みは尽きず、私たちの心は多くのものを抱え込んでしまっています。「手放せば手放すほど、心はラクになっていく」と言う精神科医のTomyさんに「手放す」ための考え方を伺いました。

<お話を伺ったのは>
精神科医
Tomyさん

トミー●1978年生まれ。精神保健指定医、日本精神神経学会専門医。精神科病院勤務を経て、現在はクリニックに常勤医として勤務。
Twitter(現X、精神科医Tomy@PdoctorTomy)が話題を呼び、フォロワー38万人を超える人気に。
『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』『精神科医Tomyが教える 40代を後悔せず生きる言葉』(ともにダイヤモンド社)他、著書多数。

『精神科医Tomyが教える 心の執着の手放し方』

精神科医Tomy/著 ダイヤモンド社

「攻撃」「問題」「期待」「他人」「行動」「感情」「将来」「目標」と題した8つの物語とわかりやすい解説で、多くの人が抱えがちな悩みの解決法を伝授。著者自身の抱えてきた葛藤も赤裸々に語る説得力のある言葉に、執着が消え、心が軽くなる。

詳細はこちら

無理に捨てる必要も、忘れる必要もありません。「手放す」というのは、意識しなくなること

ストレスを減らすたった1つの方法、それは「手放す」こと。執着を手放す。「こうならなきゃいけない」を手放す。手放せるものは沢山ある。手放せば手放すほど心は楽になっていく。最後にどうしても手放せないものが残る。それが生きる理由。

読むだけで心が軽くなる言葉のツイートが話題を呼び、『1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』をはじめとする著書も大ベストセラーになっている精神科医のTomyさん。数々のツイートの中で最も反響が大きかったのが冒頭のメッセージ。それほど、余計なことで悩んでいる自覚のある人が多いのだ。心の重荷を手放すにはどうしたらいいのだろう。そもそも「手放す」とはどういうことなのか。

「簡単に言えばあきらめることですね。年とともにだんだんできないことも増えていきます。たとえば家事を完璧にやっていた人も、体力的に難しくなったりする。それはそれでしょうがないや、と切り替えることでストレスは減ります」

何を手放すかは、逆に手放せないものを考えると見えてくるという。

「これは絶対に手放せないというものを、多くても3つくらいに絞りましょう。大事な人との関係とか、健康や仕事、何でもいいんです。3つに絞ったら優先順位もつけておきます。それ以外は手放してもいいということになります。この作業をしておくと、たとえば人間関係がうまくいかなくて悩んでも、自分にとって本当に大切な人が残ればいいやと思えるはずです」

では、自分にとって本当に手放せないものとは何だろうか。

「それを知るためには自分を見つめ直すことが必要です。自分のこととはいえ、意識して考えないと見えてこないものです。普段から、3つだけ残すとしたら何だろうと自分に問いかけること。書き出してみるのもいいですね。1年後に死ぬとしたら何をするか、何を残すかというイメージトレーニングもおすすめです」

クヨクヨ悩み続けるのは「頭がお暇」な証拠

手放すものがわかっても、無理に捨てる必要はないそうだ。

「いざというときにはなくなってもいいやと思っていればいい。それが手放すということです」

無理に捨てよう、忘れようとすると、かえってそのことばかり考えて、執着してしまうこともあるという。

「悩みや不安は、忘れ去ることはできません。大事なのは忘れることではなく、意識しなくなること。それには、他のことに意識を集中させるのが一番です」

「どうしようもないことをクヨクヨ悩むのは頭がお暇な証拠」とTomyさん。解決法を考えて実行するなら、それは課題であり悩みではない。解決法がなくどうにもならないことは、それ以上考えても仕方がない。それなのについ考えてしまうのは、他のことに頭を使っていないから。

「そういうときに最も効果的なのは、環境と行動を変えること。散歩に行くとか、掃除を始めるとか、隣の部屋に行くだけでもいいんです。場所や行動を変えてください。そうすると、目の前のことに気がいくので、頭がお暇な状態が解消されます」

散歩なら歩くこと、掃除ならきれいにすることに集中する。

「夢中になれる趣味があれば最高です。そうやって切り替えるクセをつけていけば、クヨクヨ考えることは減っていきますよ」

上手に手放すヒント

①目の前のことに 集中する

お釈迦様の言葉にもあるのですが、「今」に焦点を当てて生きていれば、人は不幸にならないものです。自分の思いどおりにならない過去や未来についてクヨクヨ悩むのはやめにしましょう。

②考え込むより動く

頭の中だけで考えていると、よくない方向に行きがち。悩みは行動によって解決を図るのが一番ですが、できないときは動くだけでもいい。とりあえず散歩をするなど、体を動かしてみましょう。

③自分にとっての優先順位を決めておく

普段から自分自身に問いかけて、本当に大切なものを認識しておけば、それ以外のものに執着しないでいられるようになります。またそれは、何かを失ったとき、心の支えにもなってくれますよ。

この記事の執筆者

PICK UP 編集部ピックアップ